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「相手の年齢を考えろ!」プロポーズのタイミングを計れないボンクラな男性

「プロポーズ」って何?

線路の上で後ろ手に花束を隠しながら女性に話しかけるサスペンダー姿の男性の画像 Pixabay

 これまでの人生で、わたしは一度もプロポーズをされたことがありません。

 夫は「したよ、した!」と言い張るのですが「じゃあ、いつどうやってしたか、覚えてる?」と聞くと「えっ、それは覚えてないけど、でも結婚したっていうことは、そういう会話があったというわけで!」と答えるのです。

「いいえ、それはプロポーズではありません。指輪ケースをパッカーンッ! なんて、バブル期みたいなことは言わないけれど、ある程度はシチュエーションを整えた上で『結婚しましょう』と意思を告げられることが、わたしにとってのプロポーズです」
「そういうことをプロポーズというならば、してないことになるかもしれない。けど、そうしないとプロポーズじゃないって決まっているわけじゃないでしょ!」

 と、延々と平行線を辿るばかり。

 わたしの考えるプロポーズは、その言葉の通り「正式な求婚」です。でも夫にとってのプロポーズは、互いに結婚を合意した上での「第1回目のミーティング」であって、「そろそろだよね、いつにする?」と切り出したことが、おそらくプロポーズ。

 たった2人の間でもずいぶんと定義に差がありますが、これを世間一般に広げてみると、「ブランド物の婚約指輪を用意して欲しい」
「ふたりの想い出の場所がいい」
「記念日にあわせて欲しい」
「指輪は自分で選びたいからいらないけど、雰囲気のいいレストランを予約して欲しい」
「男性からでなくても、したいほうがすればいい」
「言う(言われる)のが恥ずかしいから無くていい」
と、もっと様々な価値観にぶつかります。

 もちろん、そのどれも間違っているわけではなく、どれが正しいわけでもない。ただ人それぞれに希望や願望があるだけです。それが叶うか否かは、たまたま相手と価値感が同じであるか、もしくは違っていても、相手が自分の望みを聞いてくれるか、自分が折れて相手にあわせるか、にかかっています。

 わたしたちが入籍したのは、同棲をスタートさせてから、ほぼ3年後の晩秋のことでした。一緒に住み始めてから入籍に至るそれまでの間、いったい何をしていたかというと、最初の1年目は、久しぶりの東京生活と、疎遠になっていた友人たちと飲み歩くことが楽しすぎてあっという間に過ぎ、その翌年、2011年の頭に相手のお父様が亡くなり、喪に服すモードに。そしてあの震災が起きて、落ち着かない気持ちのまま迎えた翌年の年始、このあたり記憶があやふやですが、なんとなくの雑談の流れで「そろそろ、いろいろ落ち着いたし、今年は結婚しようか」という話になったような気がします。

 ただひとつ、印象に残っているのは、「俺、来年の1月に40歳になる前に結婚したいんだよね」と言われたことです。「そんな願望があったんだ」と苦笑いしたことを覚えています。ちょっと乙女ですよね。

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