別れるときはお金に注意!元恋人から40万円抜かれた話

共用口座の中身が……

ごつい指輪をつけた男性がたばこを持ちながら紙幣を数えている画像 Jeremy Paige

先週書いたとおり、ようやく別れを飲み込んだ恋人が、わたしの父親づてに「来週、家を出ていく。犬を残していくから、その日に帰ってきてくれ」と伝えてきました。

恋人と同棲をしていた家に半年ぶりに戻ると、ところどころ様変わりしていました。空気はひんやりと冷たく、玄関に残っているのはわたしの靴だけ。どことなくよそよそしい雰囲気のする家の中で、久しぶりに会った愛犬、チワワの「アメ」だけが、キャンキャンとはしゃいで、わたしを歓迎してくれていました。

リビングに進むと、写真立てに飾ってあったアメの子犬時代の写真が消えていることに気が付きました。短くはない間、一緒に暮らしていた犬の写真が欲しかったのはわかるけど、わざわざ子犬時代のものを持っていかなくても。というのも、アメはペットショップで売れ残り、系列のトリミングスクールのシャンプー練習犬として飼われていたのを、わたしが譲り受けた犬でした。だからわたしのところに来た時はすでに成犬で、子犬時代の写真はそれ一枚しか持っていなかったのです。

でもまあ、アメを置いていってくれたのだから、それくらいは許そうと思いました。アメのことは、恋人もとても可愛がっていたので、お別れはつらかったはずです。

アメを胸に抱えて二階にあがると、開きっぱなしのクロゼットの半分が、空っぽになっているのが目に飛び込んできました。恋人のデスクとパソコンも、跡形もなく消えている。見慣れていたもの、いつもそこに当たり前にあったものが、ない。さすがに切ない気持ちが湧いてきました。

けれども、その思いはすぐに消え去りました。わたしの一眼レフカメラと、買ったばかりのサバイバルゲーム用の銃が見当たりません。さらに、残してあった生活費管理用の財布の中身を覗くと、硬貨まで持っていかれてスッカラカン。嫌な予感がして、財布の中にあったキャッシュカードの口座を確認すると、40万円くらい入っていたはずが、残高0円。

財布の中身くらいはいいけれど、口座のお金は話し合って分配するのが当然ではないのか。だって、その口座はふたりで出し合った生活費を管理するためのものでしたが、結婚パーティーに際して、親戚からいただいたお祝いのお金も入っていたのです。それを全部持っていくって。

呆然としながらふと頭をよぎったのは、わたしに先駆けて離婚した友人のエピソードでした。