諦めがついたセックスレス
依然続くセックスレスと、結婚式に向けての具体的作業を何も協力してくれないこと。どんどんと募っていく不満が溢れたのは、ある夜のことでした。セックスレスを解消したいと日々口にしていたわたしに根負けした形で、なんとその夜、彼がセックスに応じてくれたのです。
改善の兆しを喜び勇んで布団に入ると、彼はわたしのショーツを降ろしてアソコを触ってきました。そしてややあったのち、苛立ったような声で言ったのです。「濡れないから無理じゃない?」と。
「キスもなしにいきなりアソコが濡れるかボケ」「舐めたりすればいいじゃんバカなの?」といった罵詈雑言が頭の中に浮かびましたが、それ以上に悲しみが勝りました。そして、これだけわたしとセックスをする気がない人にセックスを強いたこっちがバカだったわ、とようやく諦めがついた。
それからしばらくして、わたしは飲み会の場でたまたま会った男性に、「結婚が決まっているけど、セックスレスなんですよー」と酔った勢いで打ち明け、「じゃあ、僕と代わりにしますか」と誘われて、あっさりとホテルに行きました。結婚を前にして別の男性と寝ることに、自分でもびっくりするくらい罪悪感はありませんでした。それどころか正当な行為だとも思っていました。
だってわたしは、相当がんばった。がんばってがんばって、それでもどうしようもなかった。だから、別の方法を探るしかなかったのです。
――次週へ続く
Text/大泉りか
次回は<結婚へのデスロードを歩くわたしは、引出物のデザイナーと浮気した>です。
結婚式の準備は、司会者との打ち合わせやレンタル衣装の手配、会場の見学など山積みで、パートナーと協力しなければ大変。ひとりでこなさなくてはならなかった大泉りかさんは、婚約者に復讐するかのように引出物のデザイナーと夜を共にしました。