自分の結婚式を出会いの場にしようとする男

 確かにわたしは、以前は若い頃にはキャットファイトの試合に出たり、SMショーのモデルをやって脱いでもいました。けれど、その時にはもう滅多に脱ぐことはなく、書き物をメインとしていたので「いまは、そういう仕事は受けていません」と断ったところ、今度は「了解です。じゃあ、今度、ドライブでも行きたいね。友達も誘ってもらって。漫画家のドルショック竹下ちゃんとか」。「了解です。じゃあ、今度、ドライブでも行きたいね。友達も誘ってもらって。漫画家のドルショック竹下ちゃんとか」。っておい、ドライブってなによ! あとなんで、ドルショック竹下がそこで出てくる!

 わたしと漫画家兼桃色冒険家のドルショック竹下さんは、かれこれ10年以上親しくさせていただいていて、今年の頭には、お互い第1子を、1週間違いで同じ産院で産んだくらいの仲良しですが(マジで)、その友人夫とドルショックさんとは、もちろん面識はありません。ようするに、友達夫は、わたしにエロ仲間を誘わせて、グループデート的なドライブをしようと提案しているのです。先週、結婚式をしたばかりだっていうのに、頭おかしいんじゃねーか。

 女友達にチクりたい……チクるべきか。けれども、それでよその家庭が壊れることになった時の自分の責任の重さを考えると、なかなか思いきれません。最初に、妻に一報だけでも入れておけば、抑止力になったかもしれない。少なくとも、友人夫とやりとりをしたことを秘密にしなくて済んだのに。後悔しても後の祭り。結局のところ、スルーでやり過ごしてしまった自分が、ちょっと情けない。

 その友人夫、数年後にFacebookを始めた時に、わたしにしれっと友人申請を送ってきましたが、拒否しました。一方で、女友達のほうとはSNSで繋がり続けていますが、たまにあがってくる家族での記念日やレジャーの様子を見る限り、結婚生活は続いているようで、複雑な気分です。なにはともあれ、自分の結婚式を、あわよくば出会いの場にしようという男性って結構実在するっていうことです……って思ったところで、実はわたしと夫とが親しくなったのも、元カレとの結婚パーティーの引き出物のデザインを、知り合いくらいの関係性だった現夫に頼んだのがキッカケだったんでした(苦笑)。お粗末様です。

Text/大泉りか

次回は<変わっていく“出会いの場”……時給1000円のツーショットダイヤルの思い出>です。
マッチングアプリや街コン、現代らしい出会いの場はたくさんありますが、時代がいくら変わろうとも男女が「出会おう」としているという点は変わらないもの。往年の出会いの場「ツーショットダイヤル」のサクラを経験したという大泉さん、そこで感じた男性の心理とは?