短歌にできるちょうどのサイズで切りとる

 亜美さんがつくってくれた短歌はこちら。

神様のごとくお祈りされ続け かいなくたたむ枕営業

 前半はいい響きですね。ただ、後半は、自分を小さな笑いに閉じ込めてしまっていて、怨霊と対決できていないような気がします。

 また、「不採用」のことを「お祈り」と呼ぶのはある時期以降に就活をした人たちのつかうスラングなので、悩ましいところです。

神の国だからだろうか お祈りのメールばかりが届く就活

みたいな短歌は(いま適当につくっただけですが)、通じる人にはおもしろいのかもしれないけれど、このスラングを知らない人には届きにくく、また、流行語のような側面もあるために時が経つと一瞬で古びてしまいます。

 というわけで、短歌にしようと思うと取り扱いの難しい恋愛エピソードです。

 ひとつの恋愛がひとつの短歌だけで語れるわけもないので、短歌にできるちょうどのサイズずつ切り取っていくとよいかもしれません。

 ちょっと遠くに離れますが、「不採用」の部分から妄想を拡大させて、

告白をしないままするセックスは面接みたい 不採用です

とかではどうでしょうか。亜美さん、業の深そうな人生ですが、ますますのご多幸を「お祈り」いたします。