さきいかで飲むクリスマス 俺と寝る気のない女たちにも愛を

佐々木あらら エロ短歌 クリスマス 悲しい思い出 Michael Caven

 AMの聡明な読者の皆さま、こんにちは。エロ歌人の佐々木あららです。

 クリスマスって、なんでこんなに気忙しい年の瀬にやってくるんでしょうね。

 だいたい12月というのは、やり残しばかりの一年を振り返って落ち込んだり、翌年にかける夢にふわふわしたり、そもそも連休前の仕事に忙殺されていたり、何かと平常心がなくなっているもの。

 そんな不安定な気持ちのときに、恋人同士のイベントを半ば強制させるような一日があるなんて、間が悪いにもほどがあります。

 将来の不安からうっかり、間違った男と愛を誓い合ってしまったり、多忙でイライラしてる相手に多くを望みすぎてすれ違いになったり、トラブルが起きるに決まってるじゃないですか。

 クリスマスが七草粥の日ぐらいにあったら、もっと穏やかに愛を語り合えるし、お屠蘇気分で楽しくセックスしたりできるのに。

 なんでしょう、クリスマスって、神さまの嫌がらせなんでしょうか。あるいは人類への試煉、みたいな。

 というわけで、そんな宗教的試煉の一日・クリスマスを平和に乗り切るべく、さっそく皆さまのクリスマスの怨霊ラブメモリーをお祓いしていきましょう。

イブの予定を彼氏に聞けない……。

<お名前>あずささん(和歌山県)
<エピソード>恋人たちにとってはイブのほうがメインイベントのはずなのに、待ち合わせはなぜかクリスマス当日。会ってもらえませんでした。仕事なのかもしれないけれど、怖くて聞けなくて、苦しいクリスマスイブを過ごしました。
あの時はっきり望みを口にしていたら、傷は浅くて済んだかもしれないと思います。

 傷、もう深くなっちゃったんですね。お大事に。

 経験上、クリスマスシーズンは残業や忘年会をアリバイにした二股がかけやすい季節です。

「悪友と騒いでたら終電を逃しちゃって、漫画喫茶に泊まってシャワー浴びてきた」というありふれた嘘が、この時期だけはリアリティが出るんですね。

「今年は早めに田舎に帰る」という名目で「空白の一日」をつくりだし、浮気相手と温泉旅行に行くにもベストシーズンです。

 ……と、こんなことを教える僕のような男がいるから、あずささんのような素直な女性が悶々としてしまうんですよね。すみません。

 既に哀しい結末を迎えてしまったようではありますが、今もあずささんの中にもやもやと残っている「後悔」という名の怨霊、57577の作品にして、そっと成仏させてやりましょう。