「惚れた腫れたはいらない、家族がほしい」と婚活を始めて、最高のパートナーに出会ったIさん(27歳、会社員)。
結婚を目前にして毒親育ちの自分に不安を抱き、カウンセリングに応募したのでした。
敵は己の罪悪感
相談メールによると、お母さんが毒親なのかな?
うちの母親がすごい泣くんですよ。私が思い通りのリアクションをしないと、最初はブチ切れて、それから「なんでママにそんなこと言うの…」と泣き出す。
顔合わせの時に卑下されたのは、どんな感じで?
「うちのはどこに出すのも恥ずかしいワガママな娘で、頭も悪いですし、何もできませんし…」とずっと言い続けて。
おお~それはウザいし、相手も引くよね。
相手の親御さんも引いてました。本人は「身内を下げて謙遜する自分は正しい」と思ってるけど、相手は気を使って「そんなことないですよ」って言うしかないし、会話にならないじゃないですか。
まったく。「自分は正しい」と独りよがりに信じているのが毒親だよね。「その後、母と初めて衝突した」と書いてるけど、今までは?
言われっ放しです。ヘタに言い返すと長引くとわかってるんで「言いたいだけ言わせて、噴火がおさまるのを待とう」って。噴火が一通り終わると「ママはあなたが可愛いから言ったのよ」みたいな。
おーテンプレ。
テンプレですね。「あなたの幸せを思って、キラキラ~」みたいな。あと母はすごく被害者意識の強い人で、かつ、私のことをたぶん女として見てるんですよ。
娘をライバルとして見てるやつ。
そう、なので私の方が若いことも気に入らないし、私が恋愛結婚することも気に入らない。母は親が決めた相手と見合い結婚したので。
「あなたの幸せを思って」と言いつつ「なんで私よりあんたの方が幸せなのよ?!」という怒りがある。母がそういう毒親だと昔から気づいてた?
うーん…やっぱり罪悪感があるじゃないですか。親に泣かれると罪悪感の方が大きくて、自分の中でうやむやにしてしまうというか。それで毒親に被害を受けたことを直視できないまま来てしまって。
敵は己の罪悪感だよね。子どもが親を毒親だと認めるのは本当に難しい。Iさんも感情に蓋をしてきたけど、その顔合わせをキッカケに蓋が開いたのかな。
そうですね。「あかん、もう無理!!!パカッ」みたいな。
それは「今なら蓋が開いても大丈夫」という思いが心の底にあったからかも。「パートナーに出会って、私はもう安全だ」みたいな。
たしかに…その顔合わせの後、パートナーの胸で2時間泣きました(笑)
ダサいTシャツがビシャビシャに(笑)
(笑)ビシャビシャになりつつ、彼はずっと話を聞いてくれて。そうやって受け止めてくれる場所ができたから、自分のブラックボックスに向き合えたのかもしれません。