毒親フィルター

毒親育ちは「毒親フィルター」がかかってしまって、それに本人が一番苦しむんだよね。

わかります。「毒親育ちじゃない人間には私の気持ちなんてわからない」という感覚があって、私も苦しみました。

理屈じゃなく感覚なんだよね。愛されて育った人の話を聞くと、羨ましさや妬みを感じると同時に「この苦労知らずが」と見下す感情が湧いてしまう。それって自分の心の中に「なんで私ばっかり苦しまなきゃいけなかったんだ」という怒りや悔しさがあって、過剰に反応してしまうんだと思う。

私も「この苦労知らずが!」「幸せに育ったくせに!」と攻撃したくなる瞬間がありました。頭では「人は生まれる環境を選べないし、相手が悪いわけじゃない」と分かってるのに。

そう、頭ではよく分ってるのよ。これって相手に対する怒りじゃなく、自分の心の中にある怒りなんだよね。幻肢痛みたいに、親に傷つけられた痛みがずっと心に残ってるから。

あと「これだけ苦労してきた私は偉い」と歪んだ形で自分を褒めるのって、ある意味、気持ちいいんですよ。でも自分のつらさを認めてないので、心はボロボロになっていく…結局、自分を攻撃してるんですよね。

私は心の中の「つらい、苦しい」と傷ついてる自分に注目した。「私も幸せな家庭で育ちたかった…と泣いてるんだな」「そりゃ親にあんなひどいことされたら当然だよね」「よしよし、よくがんばった自分」と対話するうちに、じょじょに傷が癒えていったよ。

私も自分の心と向き合いました。「何が自分をここまで怒らせる?」「そもそも苦労=偉いってなぜそう思う?」「その苦労は自分が選び、望んだことなのか?」と文章に書き出して、なぜ?なぜ?と深掘りした結果「苦労してる自分は損してる」「損だと思いたくないから、苦労=価値があると思いたがってる」「したくないのに苦労させられたと認めてもらいたいのに、認めてもらえなかった自分」を発見しました。

そうやって自分の心と向き合ううちに、傷が癒えていくよね。私は傷が癒えたことで、毒親フィルターを外すことができた。

私は自分の心と向き合ったうえで、「この話を親友に相談されたら?」と仮定して「それは親以前に人としてひどいよ」「よく耐えたね…」と自分を肯定しまくりました。

毒親育ちは、自分を全肯定してくれる存在を脳内に飼うといいよ。「あんたほんま偉いわ~ようがんばった!」と褒めてくれる大阪のおばちゃんとか。べつに茨城のおばちゃんでもいいけど(笑)

自分の好きなおばちゃんを脳内に飼おう(笑)