進学や親の介護で「これはもうダメだ」と思う瞬間【後編】/ティナ助

まったく好みのタイプとは違う男性と結婚した女性の画像

一度は「一生添い遂げよう」と心に誓った相手なのに、「もう無理」と思ってしまうのって、一体どんなタイミングなんでしょう。そんなことは起こらない、ずっと相手に満足して、相手もこちらに飽きたりしない、という保証があれば、本当に「結婚」ってどんなに心強い制度でしょうか。

しかし、そんな上手いこといかないのが人生です。ならば少しでも、危機に直面したときに最悪の事態を回避できるよう、シュミレーションしときたい。そう思い立ち、結婚生活のさまざまな節目でありがちなエラーについて考察してみた前回の記事はこちらから。

私もいつか踏むかもしれない地雷、結婚生活の後半戦イベントと離婚の危機について考察します。私ももう広辞苑の年齢カテゴリーによると初老ですから、人生の黄昏時に向けて準備運動をしておかなくては!

ケース③:子供の進学

夫婦間で、教育における優先順位や金銭感覚がズレていると、わりとしんどいことになります。
「子供により良き教育を受けさせたい」と片方が思っていても、「自分たちがより良き生活をしたい」と片方が思ったら予算が通らないわけです。

あの手塚治虫先生だって、長男に小学校受験を、と所望する奥様と、「こんな小さい子に受験なんて必要ない! 公立でいい」と意見が対立したとか。

ご長男の個性と独創性を見抜いていた奥様は頑として譲らず、結果、手塚先生が「勝手にしろ、ただし、手は貸さない」と折れた形となり、お受験を経て私立へ通学。その後はみなさまもご存知の通り、ご長男(手塚眞)は映像作家として鬼才ぶりを発揮することとなるのです。

いやー、全盛期の手塚治虫がどのくらい稼いでたかなんて想像もつかないけど、それでも子供の教育に「そこまでする必要はない」というオピニオンだったというのだから、ビビるわね。
この問題、ブチ当たる前にお互いの意見を固めておいて方が良さげ。

意見が分かれる理由:お互いの育ちが違う

これはもう、自分が親からどんな教育を与えてもらっていたか、あるいは、与えてもらえずに悔しい思いをどれだけしてきたか、そういうルーツの話になってきちゃう。涙なしには語れないかもね。

まぁ子供のことだから、親の思い通りに育ってくれるとは限りません。教育に大金をブッ込んでも失敗するリスクはある。
費用対効果のエビデンスが出しにくい中、「必要ない」と考えている相手に「なぜ必要か」をプレゼンしなくてはならないのです。お互いに学歴や家庭環境のマウンティングにならないよう細心の注意を払いながら、歩み寄って、子供の将来を最優先事項に据えながら、話し合いを進めていくことが重要。

意見が分かれる理由:学費や労力がどちらか一方のみの負担になりうる

「二人の子供なんだから学費も折半で」ということなら進学・進路で揉めることは少なくなるかもしれません。でも現実には、やはり稼ぎの多い方が学費をカバーすることになるだろうし、そうじゃない方が送り迎えやPTA業務といった時間的な負担を背負うことになります。

どちらも二人でバランスやタイミングを計って均等に負担していけるのが理想だけど、いまの保育の現場や学校制度が共働きのライフスタイルに追いついてなさすぎる。

国が助けてくれない分を、各家庭内で(ときには実家やご近所ママ友の人間関係も総動員で)なんとかしなきゃいけない、って考えると、「何ができる・できない」「いつまで・いくらまでならできる」と具体的なシミレーションをして意見を合わせていくしかないでしょう。はいツライ。