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  • 2017.08.23

「毒親話を打ち明けたら、彼からまさかの言葉が」トラウマ克服女子の婚活成功記②

モテを捨て、マッチングに注力することで最高の結婚相手を見つけたSさん。そんなSさんが設定してきた結婚相手の条件は、過去に経験した家族とのトラウマから生まれたものでした。パートナーとのまさかの共通点、ぜひご覧ください。

海でキスをするウェディングドレス姿のカップルの画像

 効率的な婚活で最高のパートナーに出会ったSさん(25歳、IT企業勤務)
彼女には一番の親友にも話せなかった、家族のトラウマがあったのでした。

父のDV、母の宗教

うちの父は怒鳴る・殴る・物を壊すのモラハラDV男で、私が学校でイジメられてた時も「イジメられるのはお前が悪い!」と責められて。それを見て見ぬフリする母は、姉と弟だけ可愛がって、私のことは無視してました。もともと母は宗教にのめりこんで、あまり家にいなかったんですけど。

Sさんも宗教に付き合わされたの?

はい、3歳の時に入信させられて、宗教の集まりに行かされてました。母に愛されたくて活動に励んだ時期もあったけど、母は振り向いてくれなくて。母に褒められたくて勉強もがんばって、私は一番成績が良かったけど、全然勉強しない姉や弟の方がはるかに愛されてました。

なるほど…お母さんは、姉や弟の方がコントロールできると思ったのかもね。

そうですね、私が母に意見を言うと「あんたは理屈っぽい、短気だ」といつも怒られて。私が思い通りにならないのがイヤだったんだと思います。

母親の思い通りにならなかったからこそ、今のSさんがいるんだろうね。

私はどうしても宗教の考えになじめなくて…たとえば「女は夫に尽くす良妻賢母であれ」という教えなんですが「母は父にこき使われて、子どもの前でいつも父の愚痴を言って、全然幸せそうじゃない」「自分は絶対、母みたいになりたくない」と思って。
高校時代、耐えられなくて鬱になりかけて、16の時に家出して祖父と暮らしてました。


大変だったねえ、でも家出してよかったねえ。私も18の時に家を出て親と絶縁したんだけど、あのまま母と暮らしていたら、母か自分を殺していたと思う。

私は10代の時、アルさんの携帯コラムのお陰で自殺を思いとどまったんですよ。アルさんが「親は選べないけど伴侶は選べる、自分の手で新しい家族を作れる」と書いていて、私も伴侶を見つけよう、それまで生き延びようって。

ありがてえなあ…。

命の恩人だと思っていたので、イベントで会えて号泣したんです(笑)

図書館とネットに救われた

それでも親子でいなきゃいけないの?
『それでも親子でいなきゃいけないの?』

それとアルさんのコラムで毒親やフェミニズムを知って、図書館で本を借りて「毒親と言われる親たちが、私の親と同じことをしている!」と気づいたんです。フェミニズムの本も読んで「女も自分らしく自由に生きていいんだ」「人は誰でも1人の人間として生きる権利があるんだ」と知りました。子どもの頃から宗教に洗脳されていたので。

3歳から入信させられていたのに、自力で洗脳を解いたSさんは本当にすごいと思う。

私は図書館とネットに救われました。アルさん以外だと、ぱぷりこさん、田房永子さん、川崎貴子さん、二村ヒトシさん、トイアンナさんの本やネットの記事を読んで「この地獄から抜け出す方法はあるんだ」と思って。
子どもの頃から、なんでこんなに苦しいのか、ずっと原因がわからなくて…(泣)


どうぞ(ハンカチを差し出す)

…すみません。

鼻もかんでいいよ。

ありがとうございます(笑)。夫の前に2人と付き合ったけど、2人とも最低のモラハラ男だったんですよ。「元カノの方が美人だった」「お前みたいな女を好きになる奴はいない」とかディスられ続けて、自尊心を削られて、それでも別れられなくて。
なんでこんな男ばかり選んでしまうのか?と考えた時に、自分の中の罪悪感に気づいたんです。 


罪悪感。

子どもの頃から「同じ宗教の信者と結婚するか、結婚相手を入信させるしかない」と言われてきたので「こんな自分はマトモな人を好きになっちゃいけない」「私なんかと付き合わせるのは申し訳ない」という罪悪感が心の底にあるんだなって。

潜在意識に刷り込まれてしまうよね。「確信的シングルマザーの選択」の医者の女友達も、父親のDVを受けて育って「こんな自分はマトモな人と付き合っちゃいけない…という思いから、クズを選んでしまう」と話していたよ

私も「こんな家で育った自分はマトモじゃない」という後ろめたさが常にあって。宗教のことは、みんなが離れていってしまうんじゃという不安から、一番の親友にも言えなかったんですよ。
でも夫と付き合って、いつかは向き合わないといけない、振られるなら早い方がいい、と決心して打ち明けたんです。そしたら…。

夫の予想外の言葉

切り餅 パリッとスリット 1kg
切り餅 パリッとスリット 1kg

夫はすごく驚いた顔で「僕も!」と言ったんですよ。宗教は違うけど、彼も私と同じ宗教三世だったんです。


おお~!!ていうか、宗教三世って言うんや!

はい(笑)。祖父母の代から入信していて、無理やり強制されてたのも同じでした。
あと彼も母親に毎日殴られていて、今でも傷が残ってるんですよ。父親は無関心で助けてくれなくて、今でも母親に追いかけられる夢を見るらしいです。彼は「母親には一生会うつもりがない」と言っていて、なんというか…。


話が早い。

そう!「親子なんだから、話し合えば分かり合える」とか言う人が多いじゃないですか。

話し合って分かり合える親なら、そもそも悩んでないのにね。「親を嫌いになっていい、分かり合えなくていい、一生会わなくてもいい」と思うことで、毒親育ちは救われるのに。

子どもが親を嫌いになるのって、本当に大変じゃないですか。

子どもはどんな親でも愛したいんだよ。私は母が酒でラリってる時も「うちのお母さんは天然ボケで面白い」と友達に話していたよ。自分でもそう思いたかったから。

私も「うちのお母さん、超ポジティブなんだ」「うちのお父さん、超おバカで面白い」と笑い話にして、傷ついてないフリをしてました。

傷からだくだく出血してるのに「平気!痛くないし!」みたいな。そこから生き延びるには、まずは物理的に距離を置くしかないよね。

物理的に逃げるしかないですよね。じゃないと、自分が死にかけてることに気づけなくて「もっと大変な人もいる、私はまだ幸せだ」と思ってしまうから。

縁を切った後も、うちの母親は仕事中に何十回も電話してきたりしたのよ。あと会社に押しかけてきたりとか。

毒親あるあるですね。

そう、そんな話をしても「お母さん、寂しかったのね、あなたを愛していたのね」とか言う人がいて「いい話にすんなボケ!ワシは被害者じゃ!」みたいな。「うちの親は子どもの都合を無視して好き勝手するひどい親だ」と認めるのに、こっちは何年もかかったんだから。

私もいろいろ傷ついて「薄っぺらい綺麗事を言う人とは分かり合えない」と理解できました。無理に理解してもらう必要ないってことも。今はそういう人とはさっさと距離を置きます。

「距離を置く」は毒親育ちの生き抜く術だよね。

彼とはそのあたりも共感しあえるので、ありがたいです。お互い毒親に苦しんできて、宗教と親に挟まれる苦しみもわかるし…あと、宗教あるあるで盛り上がるんですよ(笑)。教祖を褒め称える歌を合唱させられたとか、ひたすら餅を食べる謎の儀式に参加させられたとか。

メッチャ太りそうな儀式(笑)

餅は美味しかったんですけど(笑)。友達にも話せなかったことを笑い話にできて、すごく心が楽になりました。

Sさんと彼はお互いにとって必要な存在だったんだなあ…まさに、ディスティニー!(ポーズを決める)

ディスティニー(笑)!(ポーズを決める)

夫はスーパーサイヤ人

ドラゴンボール超 孫悟空FES !! 其之一 超サイヤ人ゴッド超サイヤ人孫悟空 バンプレスト プライズ
ドラゴンボール超 孫悟空FES !! 其之一 超サイヤ人ゴッド超サイヤ人孫悟空 バンプレスト プライズ

私は家を出た後も「宗教を脱会する」と母に言えなかったんですよ。3歳から入信させられて「自分はここから逃れられない」と思っていたから。でも夫に「イヤだったらやめたらいい」と言われて、それが呪いを解く呪文でした。きっと他の人に言われても響かなかったと思います。

同じ苦しみを経験してない人に言われても、説得力がないし響かないよね。私も幸せな家庭で育った人に「俺がキミを守る!」とか言われても「お前に何が守れんねん」と思っていたよ。

そうなんです。彼も「親に認められたい」とがんばった時期があって、「やっぱり無理だ」と親から逃げて宗教と縁を切って…やっぱり本で読むのと目の前にいるのとは違うんですよ。「私もこの人みたいに強くなりたい」「この人と一緒だったら強くなれる」と思えました。

うちの夫も父親はDVで、母親は水商売でいつも家にいなくて、ハードな環境だったのよ。だけど母親に「一緒に死のう」と言われた時も「俺を巻きこむな!殺されてたまるか!」と自宅に忍者の罠を仕掛けたりして、すごく強いんだよね。

お母さんに電柱に縛られた時も、縄抜けして木の上で高笑いしてたんですよね(笑)

そうそう、彼は忍者に憧れてたから(笑)。そんな夫も鬱になりかけて引きこもった時期があって、それを乗り越えてきた夫といると「自分も強くなりたい、なれるかも」と思えた。

私は夫が「俺が守ってあげる」じゃなく「一緒に戦っていこう」と言ってくれたのが、本当に嬉しかったです。

そうだよね、私も夫は最強のタッグパートナーだと思ってる。

うちの夫はわりとフェミニン系なんでけど(笑)、精神的にすごくタフだから、ケンカしても動じないです。

うちの夫も私のメンがヘラっても「汗もかかぬわ」と苦にしてない。

そう!彼も苦にしてないんです。「毎日母親に殴られてたから、こんなのは屁でもない」みたいな。

死にかけて強くなる、スーパーサイヤ人だなあ。

サイヤ人だったんです。

ノロケ大会になってるけど(笑)、サイヤ人は優しいよね。うちの夫は弱ってる人や困ってる人に本当に優しい。

私も彼の弟や妹への接し方を見ていると「なんでこんなに優しいんだろう?」と思います。

強くて優しい人ってなかなかいないよね。

しかも、それってわかりにくいですよね。

カバンに金具がついてたりするし(笑)

あのカバン、一番のお気に入りだったそうです(笑)

夫もドクロと炎のTシャツを色違いで3枚持っていたよ。やっぱり第一印象で足切りしないことが大事だなあ。

私は婚活でパートナーを探しながら、「友達ができればいいな」という感覚もあったんですよ。夫のことも「好きになれなくても、親友になれそう」と思って。私みたいに男性不信だったり、恋心の導火線がしけってるタイプは「友達になれるか?」を基準にするといいかも。

私も夫と「貴様と俺」みたいな関係だった。恋愛には「友情寄りの恋愛」と「性欲寄りの恋愛」があって、友情寄りの恋愛が向いてる人もいるよね。

それに同性でも、時間をかけて親友になることが多いですよね。まさに「アナルは深く掘らないとわからない」。

自分自身を深掘りすることも大事だよね。

私も「恋愛で幸せになりたい、救われたい」と思っていたけど、その前に自分と向き合わないとダメなんだなって。自分のブラックボックスを開けて解き明かす作業をしないと、幸せな恋愛はできないから。

自分と向き合って、自分で気づかないとダメなんだよね。Sさんはいっぱい苦労してきて「他力本願じゃダメ、自分を救うのは自分」という覚悟があったんだと思う。それにしても、25歳の若さで立派だなあ…ジオン十字勲章ものだ。というか、ファーストガンダムなんて知らないよね。

知らないけど、ありがとうございます(笑)

―次回、毒親の呪いを解く方法について語ります!

Text/アルテイシア

次回は<「親が死んだ後を想像しよう!」毒親の呪いを解く方法/トラウマ克服女子の婚活成功記③>です。
たとえ毒親であると理解していても、一緒に暮らしてきたり、他人とは一線を画した深い関係であることから縁を切るのに勇気が必要な親子の問題。自分を育てたのがいい親ではないということを認めることは心に負担がかかりますが、そこから悩みを解決するための第一歩を踏み出すことができるとアルテイシアさんは語ります。

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ライタープロフィール

アルテイシア
作家。
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