「過剰にポジティブ転換」の危険性
アル:ポリアンナは「よかった探し」をする少女なのよ。減点法じゃなく加点法で見るのは良いことだけど、いきすぎると「過剰にポジティブ転換」してしまう。たとえば「付き合ってはないけど、しょちゅう会ってるし、好きだと言ってくれるし、いつか付き合えるかも」みたいな。そうやって自分の見たくないものは見ないで、自分が見たいように見て期待する女子はセフレになりだちだよね。
E:うう…たしかに…。
アル:誰だって「ヤリモクの男に振られて傷ついた自分」を直視するのは辛いし、ポジティブ転換したいのはわかる。でも「反省はするけど後悔はしません!振り返らず前を向いていきます!キラキラ!」みたいなのは良くない。後悔してないのは、反省もしてないってことだから。人は「なんであんなことしてもうたんやー!ウオオー!!!」と後悔しまくることで、同じ失敗を繰り返さずにすむんだよ。
E:私、もともとネガティブで根暗な人間なので、落ち込むと底なし沼に沈みそうで怖いんです。
アル:ネガティブだからこそ、ポジティブ転換してしまうのね。
E:あと「人を憎んじゃダメ、恨んじゃダメ」「誰でも良いところはあるんだから」と思いがちです。
アル:それもバランスなんだよね。孔子も「中庸isベスト」と言ってるけど、加点法がいきすぎると、イヤなところに目をつぶってクズをクズだと認識できないから。
E: 私、ヤリチンポリスから「中出ししたいからピル飲んで」と言われたんですよ。
アル:なんやと?
E:それで婦人科に行って、ピルを飲み始めたんです。
アル:飲んだんかい!
E:その直後に彼女ができたと言われて「ピル飲み始めたばっかりなのに…!」って。
アル:それ怒るところとちゃう!…ダメだ、つっこみが追いつかない。私はどんなに好きでも「中出ししたいからピル飲んで」と言われたらキレるよ。「ふざけんな!!」と拳銃を奪ってポリス沙汰になるかも。
E:前からPMSがひどくて「ピル飲んでみようかな」と思っていたので…。
アル:「ちょうどタイミングよかった☆」って?それが、いきすぎポリアンナ!!
E:(笑)その頃にTOFUFUの「リベンジ大作戦」の記事を読んで救われました。相手を恨んでもいいし怒ってもいいんだって。
アル:「私はこんな目に遭っていい人間じゃない!」と怒るのは、自分を守るためにすごく大事なことだよ。
E:私は「これぐらいまあいっか」と受け入れてしまうんです。恋愛トークをしていると、男子から「菩薩みたい」と言われます。
アル:それもポジティブ転換だよね。「菩薩」と言うとイイ女っぽいけど、「男にとって都合のいい女」だし、「受け入れる」と言うと器がデカいっぽいけど「本当はイヤなのにイヤと言えない」「意思決定を他人に委ねてしまう」ってことだから。
E:過去の恋愛も相手に合わせて我慢してきたので「これぐらい平気」と思っちゃうんですよ。
アル:ドブの水を飲んできたら、池の水を飲んでも「美味い!安全!」と思っちゃうよね。その思考のクセを変えないと、目先の行動を変えても、似たような男を引き寄せるリスクが高い。「自分は大切にされて当然の存在だ」と思うことで、大切にする男が寄ってくるから。
E:「自分は大切にされて当然の存在」と思ったことはないですね…。
アル:なんでだと思う?じっくり考えてみて。
E:(しばらく考えて)子どもの頃、母親に「あんたはブスだ」と言われて育ったんですよ。愛されなかったわけじゃないけど、いまだに見た目のコンプレックスが強くて。冗談でも容姿についてイジられると、家に帰って泣きます。
アル:Eさんは全然ブスじゃないけど「イグアナの娘」的に刷り込まれてしまったのね。
母親にブスと言われて育って、コンプレックスを植えつけられて、男にイヤと言えず合わせてしまったり、「こんな自分は我慢しなきゃ愛されない」「男に求められると断れない」という女子は結構多い。
E:私も本当は、ありのままの私を受け入れて愛してくれる人がほしいけど、そんな人はいないよな…と思ってしまって。
アル:Eさんの思考に過去の体験は強く影響しているよね。お母さんのことも「愛情はあったにしても、ブスとか言うのはひどい!私はすごく傷ついた!」と認めることが大事だと思う。母親のブスの呪いに悩む人は、田房永子さんの『呪詛抜きダイエット』を読んでみてほしいな。
―性豪女子の心の底には、母の呪いがあったのでした。次回に続く!
次回は<旧ベッキーから脱して理想の結婚を目指せ/隠れ性豪女子にカウンセリング②>です。
「ピン!とくるセンサーが働いている」「性欲もある」「恋愛をしてきた」だからこそ「結婚しようとするとうまくいかない」「『付き合う』段階になかなか進めない」。セフレにピルを飲めと言われれば婦人科を受診してしまう隠れ性豪女子Eさんのカウンセリング最終回!いきすぎポリアンナなポジティブすぎる思考から離脱できるのでしょうか?