男いらずの歴史と落ち武者の彼
アル:Kさんは異性と接点はなかったの?
K:私も中高女子校育ちだったので、共学の大学に入ってビックリして…男ってデカいし声も低いし。それで変に意識しまくりで、男友達もできなかったし、大学の4年間はリハビリに費やした感じですね。
アル:私は男子が8割の学部だったから、荒療治のリハビリで男に慣れたんだよね。なにより、私は彼氏が欲しかったしセックスもしてみたかった。それでズベっていく方向にオーバーランしたんだけど。
K:私は男嫌いとかじゃないけど、とにかくマウントされるのがムカつくんです。「やっぱ女の子だな」「守ってやるよ」とか言われると「べつに守っていらんわ死ね!」と思う。
アル:私もそうだけど、女子校育ちの男尊女卑アレルギーなのね。
K:アレルギーはかなり強いですね。「俺に頼れよ」と頭ポンポンとかされると、棒で叩いてしまうかも。
アル:棒で叩くほどなのか(笑)
K:こんな私も22歳の時に一度だけ、男を好きになったことがあるんです。「すごく好き」「会いたくて震える」とかじゃないけど「この人だったら私、付き合えるかもな」と思って。相手はバイト先の先輩で、落ち武者みたいな人だったんですけど。
アル:落ち武者?
K:てっぺんがハゲの長髪で、「髷(まげ)結うの忘れた?」みたいな。
アル:あはははは(笑)!
K:見た目は落ち武者だったけど、自分の好きなモノを追及するオタクぶりに惹かれたんです。あと「男だから」とマウントしてこない人でしたね。女子っぽいフェミニンな人でゲイ疑惑を持たれてました。でもノンケだったので「付き合ってみないか?」と告白したら「いや~ないなあ」と振られて(笑)。でもそれで特にヘコんだわけでもなく。
アル:わりとアッサリだったのね。
K:特に引きずることもなく、彼は今でも仲のいい友達です。私の中ではだいぶ好きな方だったので、付き合ったらもっと好きになったのかもしれないけど。
アル:出会ってからどれぐらいの期間で好きになった?
K:うーん、2年ぐらいですね。
アル:なるほど。Kさんみたいなタイプは、恋心の導火線が長いし、しけってるんだと思うよ。
K:たしかに(笑)!導火線が2メートルぐらいあるうえ、なかなか火がつかないっていう。
アル:導火線は人によって違うから。世の中には「惚れっぽい人」と「惚れっぽくない人」がいて、後者は恋愛事件が起こりづらいよね。