騙されるのは、人を騙さない良い子だから

アル:その彼はSさんが恋愛経験のない処女だと知ってたの?

S:はい。わりと初期にその話をしたら「初めて付き合った人と初体験できるのは幸せなことだよね」とか言われて。

アル:それで自分は処女に手出してゴムもせず口で抜かせたのか?ほんとクワやスキでタコ殴りにしたいな!

S:出張先で手を出してきた時も「私は経験もないから、そういうことしたいだけなら別の人としてほしい」と言ったら「そういうつもりじゃない」と言われて、信用しちゃったんですよ。ほんと言葉では何とでも言えるのに…。

アル:いやあなたが悪いんじゃない、男がズルい。だって好きな人のことは信用したくて当然でしょ?「こいつ搾取する気だな」とか疑いたくないし。私もそういう男に25回ぐらい騙されたよ。

S:25回(笑)。それを聞いて救われました。「そんな男を選んだ自分がダメなんだ、騙された自分がバカなんだ」と自分を責めていたので。

アル:違う、Sさんが良い子だからだよ。他人を騙すとか利用するとか考えられない良い子だから、騙して利用する男の心理がわからない。奴らはそういう純粋な良い子を狙うんだよね。

S:私も「こんな人、自分の辞書には載ってない…!」と呆然としちゃって、正常な判断ができなくなってしまって。)

アル:自分は人をぶん殴らないから、いきなりぶん殴られると「自分が悪いのかも」と思ってしまうんだよね。それで傷つきながら、さらに自分を責めて苦しんでしまう。

S:彼らはどうして人を利用するんですか?

アル:都合よく恋人ごっこを楽しみたいし、誰かに恋されることで自信をつけたいから。「自分はモテる」と自信をつけつつ、周りにも「あいつはモテる」と認められたいから。己の自信や承認欲求を満たすために他人を利用するのは、女でもいるよね。いわゆるサークラとかオタサーの姫とか。

S:そうか、それですごい理解できました。諦めなきゃと思いつつ、ずっと苦しかったんですよ。私がやり方を間違ったんじゃないか?どうしたら付き合えたんだろう?とずっと考えてしまって。あの時、家に行かなければ?セックスしなければ?いや、私が処女じゃなくてちゃんとセックスできてれば?…って。
でも彼は、初めから付き合う気なんてなかったんですね。

アル:おのれ純粋なおぼこに手を出すなよ!!(激怒)

S:めっちゃ怒ってる(笑)