「好き」という感情

アル:友達や同僚や家族との接し方をヒアリングするのも手だよね。
ただ、本当のところは付き合ってみないとわからないと思う。言葉では何とでも言えるし、付き合う前はいいところしか見せない人も多いし。
そこが婚活の難しさだよね。同僚や同級生だったら、相手の中身をよく知ってから好きになるでしょ?

A:たしかに…。私、今でも好きな大学の同級生がいるんですよ。昔、告白して振られてしまったんですが、彼は人に対して温かい人でした。
友達が悩んでたら親身に相談に乗って、学校を休んでたら家まで迎えにいったりとか。その彼のことは中身で好きになりましたね。

アル:見た目は好きじゃなかったの?

A:見た目よりも中身が好きでしたね…写真見ますか?(スマホの画像を指さして)このメガネの彼です。

アル:ていうか、全員メガネだよね?メガネ族という部族の写真みたいなんだけど(笑)

A:たしかにメガネ族ですね(笑)

アル:東大はコンタクト禁止という校則でもあるのか…そして全員、もっさり地味だなあ!

A:もっさり地味なメガネ族だけど、いまだに彼に会うと意識しちゃって。「どどどどどうなの最近?」みたいな。

アル:風の又三郎状態(笑)

A:又三郎になっちゃって(笑)。やっぱり私はこの人のこと好きだなと思うんです。

アル:彼が男女平等について微妙な発言をしても許せるんじゃない?

A:ああ、許せますね。彼だったら多少価値観が違っても許せます。やっぱり好きだからでしょうね。

アル:人間は理屈よりも感情が強いから。「好き」という感情があると大抵のことは許せるんだよ。仲のいい夫婦を見ると「なんだかんだ言って旦那のこと好きなんだな」って思うでしょ?

A:思います。条件も大事だけど、それ以上に大事なのは「好き」という感情なのかも。

アル:「好き」にはドキドキやときめきもあるけど、「相手のいい部分をいっぱい知ってるから好き」もあるよね。私も出会った頃より今の方が、夫に対する「好き」は何百倍も増えてるし。
まだ数回しか会ってない段階だったら、夫の微妙な発言にガッカリして「この人はない」と判断したかもしれない。

A:婚活だと「好き」という感情がなかなか発動しないので厄介ですよね。

アル:キスしてみて、好きスイッチが入るか確認したらどう?

A:元彼の時はそうでした。婚活を始めた頃は見た目重視で「顔が好みじゃないと、ときめかないから無理!」と思ってたんですが、アルさんのコラムに出会って、自分の優先順位はそこじゃないなと気づいて。
それで元彼と付き合ってみて「好きな顔じゃなくても、キスしてみればスイッチが入る」という教えを体感できたのもあります。

アル:いったんスイッチが入ると、かわいく見えてくるしね。