肉食チャラ男コンパで「支持層」を知る
あれは私が広告会社に入社して1年目のことでした。
30過ぎの先輩Iさん(肉食チャラ男)に「おまえ女子校出身だろ?同級生とコンパセッティングしてくれよ」と頼まれたのです。
コンパ当日、男5人女5人が集まった席で、私は「友人たちは可愛いし面白いし、きっと盛り上がるだろう」と予想していました。
案の定、彼女らはいつもの爆笑トークを繰り広げたのですが、男性陣のノリが悪い。
そして翌日「なんか…思ってたのと違った。俺がイメージしてた女子校じゃなかった」とIさんに低い声で言われました。
たしかに友人Aちゃんは「私、風呂に入らなくても平気なんです!」と堂々宣言していたが、当日は風呂に入ってきてたし、職場で「乳首がかゆい」とバリバリ掻いて周囲を唖然とさせたBちゃんも、コンパの席で乳首は掻いていなかった…なのに、なぜ??
まあ要するに、彼らは「すごーい!面白―い!」と自分の話に笑ってくれる女を求めていたのであり「なんで女が笑わせて盛り上げるんだ」と忸怩たる思いだったのでしょう。
22歳の私は、肉食系は女に負けたくない・女より上に立ちたい生き物だと知らなかった(当時は肉食草食という言葉も流行る前だったし)
が、男性陣の中に1人だけ種族の違う人物がいました。
それは入社2年目のNさん(24歳)で、Nさんは彼女持ちだったけど、オーダーをとったり会計をまとめる丁稚役として先輩に呼ばれたのです。
コンパ中、彼だけは楽しそうに笑っていました。翌日も「昨日はすごく面白かった!アルの友達っていいなあ」と褒めてくれた。
そんな彼は女にガツガツしない草食系で、とても頭のよい仕事のできる人でした。
現在一番出世しているのはNさんです。己が下剋上したわけじゃないのに「ザマーミロ!」と叫ぶ私。肉食の方が仕事できるなんて真っ赤な嘘だ。
Nさんは学生時代からの付き合いの彼女と結婚しましたが、奥さんも女子校出身で面白い人なんだとか。
これぞマッチングというもの。面白い女を好む男は少数派だけど存在するし、その少数派こそが我々の支持層なのです。