<不倫=蜜の味>のメカニズムを解説

アル:なぜ不倫は「蜜の味」なのか?まず1つは、恋愛の“いいとこどり”ができるから。
結婚はローンの話し合いや子どもの教育や親戚付き合いといった“日常を共有するもの”。不倫はそういう泥臭い要素を排除した「非日常」であり、デートやセックスといったキラキラした部分だけを味わえる。すると「これぞ究極の恋…!!」と錯覚しちゃうんだよね。

 既婚者の男の側も、ひと時の恋愛気分を味わえて、男としての自信や現役感も味わえて、おまけに若い女とセックスできて、いいことづくめ。そりゃリスクがあってもやめられない男は多い。
しかも「不倫でもオッケー」と受け入れてくれる女子は少ないから、不倫相手を手放したくないために、全力でサービスもする。甘い言葉も言うし、デートでもセックスでも尽くす。それは「愛しているから」じゃなく「自分にとって都合のいい存在をキープしておきたいから」。

 そのうえ「自分は結婚している」って後ろめたさもあるから、とびきり優しくして甘やかしてくれる。それは「やたら孫を甘やかす祖父母」と同じで、責任がないから。親は子どもの人生に責任があるから「甘いお菓子や高級なオモチャばかり与えないで!」となるでしょ。

AM:すごくわかりやすいです(笑)。でも女子の方は「愛されてる」「こんなに大切にしてくれる人はいない」と錯覚しちゃいますよね。

アル:おまけに「手に入らないから欲しくなる」「不安定な関係だから燃える」って脳の仕組みがあるから。

 恋愛感情(=刺激やトキメキ)はドーパミンの分泌によって引き出される。これは“報酬系”の脳内ホルモンだから、確実に手に入る相手には出ないらしい。必ずエサをもらえる状況だと報酬にならないから。だから、安定した関係になるとトキメキがなくなるのは自然なんです。

 しかも不倫は“不安定な関係”だから、吊り橋効果も発動する。
吊り橋効果とは「不安定な状況でドキドキするのを恋愛感情だと錯覚する効果」なんだけど、私は屋久島で実感しました。
不安定な山道を四つん這いで進みながら、同行のガイドさんに恋に落ちて、山を下りた瞬間しらふに戻った。で、翌日また山に登って、また別のガイドさんに恋に落ちた。

AM:脳ってわかりやすいですね(笑)。

アル:単純すぎるよね、脳(笑)。