コンビニでアレを買う彼女
もう一人のBさんも同じように、そこそこの回数サシ飲みを経てからのサシ飲みをした時のことだ。これは平日夜の話だったが、2軒目に行く時、彼女は「ちょっと待って、コンビニ行っていい?」と言う。一緒に店に入るとやにわに6個入りのコンドームの箱を手に取った。
えっ? それはホテルにあるんですが……と僕は困惑しつつも、自分に都合よく「もしや彼女は部屋に招いてくれるのではないか!」と期待をした。そして会計を済ませて入口の方に戻ってくるとこう言った。
「彼氏から今日買ってくるように言われてたんだ。ちょっと恥ずかしいね、ニノミヤさんの前で買うの」
これでこちらは完全にエロ欲を封印させられた。これも見事な断り方である。こちらが誘うであろう気配を察したのかもしれない。そして2軒目はその彼氏という人物の話を散々聞かされるという謎の展開になった。電力会社に勤める真面目な人物だが、性豪である、というどうでもいい話を聞かされた。
Text/中川淳一郎
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