ポイントは「どこまでなら許容や譲歩できるか」を探る

さて、じゃあそれをどういう風に伝えるかですが……そのままを伝えるしかないでしょう。
わたしがあなたの立場だったら、彼の行動の何が嫌か、どうしてほしいか、どこまでなら許容できるかを伝えます。だって、それ以外に現状を打破する方法は存在しませんから。

「伝えることができない」ではありません、伝えるんです。

彼に伝えることができない理由として、あなたは「考え過ぎてしまう」と仰っていますね。
おそらくその“考え過ぎる”という行為には「これを言ったら彼に嫌われてしまうかも」「喧嘩に発展して結果的に別れてしまうかも」といったネガティブ思考に陥る内容も含まれているのではないでしょうか。
考えることはもちろん大事です。でも、何事にも限度があると言ったように考えすぎはよくないのです。

これまでのことを思い返してみてください。考え過ぎてよかったことなんてなかったはずですよ。
たしかに彼の行動こそがあなたを悩ませる原因なのかもしれませんが、その悩みを大きくしているのは他でもないあなた自身です。
自分の気持ちや要望を何も伝えていないのに、彼があなたの気持ちを勝手に読み取ってくれるわけも、彼の行動があなたの希望通りに改善されるわけもありません。
もっと合理的かつ長期的な目線で物事を考えて、今現在ではなく未来の自分のためになる行動をすることをおすすめします。

伝えたときの彼の反応、それによって生じる雰囲気の悪さ、関係が終わってしまうかもしれないという最悪の事態を想像して彼に何も伝えないままなら、たしかに不穏な空気にはならないでしょうし、喧嘩に発展することもないでしょう。
でもね、それであなたのイライラは解消しませんし、永遠に不満を抱えたまま彼と付き合っていくことになるだけ。
それなら、早い段階で不満や要望を伝えたほうが、今後の付き合いはより楽しくてストレスの少ないものになるはずです。

もしかしたら、大喧嘩の末にわかり合えなくて別れることになるかもしれません。それはとてもかなしいことで、あなたが望んでいたことではないでしょうが、わかり合えない・寄り添い合えない人と付き合い続けて時間を無駄にするよりもずっといい。
また、ずっとずっと長い期間不満を溜め込んで、何年も経ってから限界に達してドッカーン! と爆発することで、彼に「今さらなんで?! ずっとこの関係でやってきたんだからもう生活を変えられないよ」と言われる可能性を考えたら、伝えるのは早ければ早いほどいいのではないでしょうか。

伝えて、はじめて事態は動きます。

「回りくどい言い方をしたせいできちんと伝わらなかったな、伝え方を変えてみよう」と気づけるのも、「伝えたことで関係は改善したけれど、また別の悩みが生まれたからまた話し合おう」と一歩前進するのも、「こいつ全く歩み寄るつもりないな! 話すらちゃんと聞かないし! 付き合うだけ時間の無駄!!!」と決断できるのも、全ては伝えたからこそ。

かなり昔の相談でもお話ししましたが、何も上手に伝える必要はこれっぽっちもありません。上手く伝わらなかったのなら、やり方を変えてもう一度伝えればいいじゃないですか。
彼のどういう行動が嫌なのか、彼にどうしてほしいのか、自分はどこまでなら許容や譲歩をできるかを、そのまま言葉にして彼に伝えればいいだけです。

ちなみに、特に大事なのは3つ目の「どこまでなら許容や譲歩をできるのか」
価値観が違う者同士なのですから、あなたも彼も自分の中に存在しない価値観を持っている相手のことを想像するのはきっと難しいはず。
これが嫌、こうしてほしいと伝えることはもちろん大事ですが、相手が「よくわかんないけれど、嫌だっていうならとりあえず言う通りにしておこうか……」と納得できないまま自分だけが我慢ばかり強いられる状況に陥ったら、それこそ遠くない未来に破綻を招きかねませんからね。
「ゲームの魅力はよくわからないけれど、でもあなたの好きなものを否定したいわけじゃないんだよ。寄り添いたい気持ちもあるんだけれど、このラインはどうかな?」という姿勢を見せることで「もっとこうしたい」「そこまで譲らなくていいよ」とさらに話し合いが発展するのではないでしょうか。

今回の件は、決してどちらかだけが悪いというわけではなく、あくまでも価値観の違いによって生まれたもの。だからこそ、自分のワガママだけを通し過ぎないように、そのラインはちゃんと“考える”必要があると思います。(※ただし考え過ぎないこと!)

Text/ものすごい愛
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