彼に「別れたい」と言われたら受け入れる?ゴネる?別れ方の価値観

先日、独身の女友達から一本のLINEが届きました。いったい何の用事かと思ったら、酷くいきり立った様子で「彼氏に別れを告げられたけど、納得がいかないし、別れるつもりはない」という。「別れるって言われたなら、もう仕方なくない?」と諫めたものの、「付き合った責任があるんだから、一方的に別れると言われても、こっちにはそれを拒否する権利がある」と頑として譲らない。

そういう理論を確立しているなら、わたしには何も言うことはない。「思うようになればいいね」と言って会話を終了させた後に思ったのは、彼女みたいなタイプの人とは恋人同士の関係になりたくないな、ということでした(笑)。だって、責任だ権利だって振りかざして別れてくれないの、面倒くさすぎる……。が、そもそも彼女の言う責任とは、何なのか。

幸せにする、浮気をしない、心変わりをしない、ずっと一緒にいる、もしくはその全部。そういったすべての約束が「別れる」という一言でチャラになるのが、恋人同士という関係で、なんなら相手に別れを受け入れてもらえずとも、「別れる」と一方的に通告さえすれば、成立するのではないかとさえ、わたしは思っています。が、彼女はそうは考えていない。どっちがいいも悪いもなく、正しいも間違っているもなく、それはただ単に価値観の違いです。

別れ話にゴネたこともあるけれど…

とはいうものの、これまで人と付き合って別れる際に、一方的に別れを伝え、相手の返事を聞くこともなく別れたことは、さすがにありません。一応は別れることを相手に納得してもらってきたし、逆に相手から別れを告げられた場合も、しぶしぶに別れを受け入れてきました。

「嫌なところがあったら直す」だとか「もうちょっと付き合ってみないか」とか、あとは率直に「まだ好きだし別れたくない」とゴネて継続を頼んでみたこともあるけれど、別れを告げてきた相手が「じゃあ、もう少しだけ」と別れを撤回してくれたこともない。だから、鶏と卵のどっちが先という話じゃないけれど、これまでの別れ際、いくら相手にしがみついても愛を取り戻せなかった経験から、いくら抵抗したところで無駄だという結論へと、わたしは達したのかもしれません。だとすれば逆に彼女は「絶対に別れない」と言い張ることで、相手を引き留めた成功体験があるのかもしれない。

あなたはどっち派?

そういうことを考えていたら、ふと、わたしのようなスタンスは、物分かりが良すぎるのではないか、という思いが湧いてきました。「別れたくない」と思っているのに「別れたい」という相手の意向を優先する必要なんて、ないといえば、ない。

あるのかないのかもわからない責任や権利を相手に押し付け、ウザいしつこい女だと疎まれ、これまでの楽しかった想い出もすべて嫌な想い出となるほどに憎悪されることになっても、「別れたくない」という自分の意思を通そうとするほうが、己に正直でもあるし、やれることはやりきったということで、後に引きずらなくて済みそうです。皆さんは、どちら派ですか?

Text/大泉りか