ホス狂いの女子が言う「仕事ができないホスト」の意味がわかった出来事

今年の8月に『ホス狂い』というルポの書籍を出版した余波がまだ続いております。取材はもう終わったというのに、今月も先月もホスクラの初回に足を運び、さらにそこで知り合ったホストからちょくちょくLINEで営業されたりと、うっすらと生活の中に「ホスト」の存在を意識せざるを得ない状態が続いているのです。

しかし、ホストクラブというものは、初回ならば居酒屋で飲むくらいの支払いで済むため気軽に足を運べるものの、指名で行くとやはり2、3万くらいは使うことを覚悟しないといけないわけです。3万あるなら旅行に使いたいわたしは、今だ指名で再訪したことはなく、しかし経験として一度くらいは行くべきではないかという問いも自分の中にある。ホスト周辺の事情を書いた本で稼ぎを得たのだから、少しくらいは還元するのが筋であるような気もするし。

どのホストを指名するべきか

けれどいざ、どこの店の誰を指名で行くかというとなかなか悩ましい。せっかくならば、頑張って営業してくれているホストに指名を返してあげるのが順当なのだろうけども、明らかにつれないわたし相手に、こまめに営業を掛けるなんて、あまり客が付いていないのだろうなと思うし、ゆえに下手に情をかけて期待をさせてしまうのは心苦しい上に、さらに営業が激化することが想像できて、面倒くさい。

かといって、連絡先は交換してあるものの、まったく営業してこないホストに指名を返すのもどうかと思うし、席についたホストに、『ホス狂い』という本を出している、という話をすると「面白そう! 読みたい!」なんて言ってくれたり、なんなら後日にLINEで「本読みますね~!」なんて送ってもくるくせに、誰ひとり「読みました!」という連絡はしてこない。「お前ら! そういうとこだよ!」と。ホス狂いの女の子がよく言う「仕事ができない」という言葉が、初めて実感できた始末です。