「こんなはずじゃなかったのに」が恋の醍醐味

そういえば前にツイッターで「高収入という条件で好かれたくないから、初デートでは貧乏なフリをする」と書いているアカウントを見かけて、「めちゃくちゃこじらせてるな。お金持ちは大変だな」と思ったが、今はなんとなくその人の気持ちが分かる。私もたとえば好きな人に「料理上手な人が好き」とか言われたら、料理しない人のフリをしてしまう。

好きな人には好かれたいのだが、予め設定された条件で気に入られるのは、自分の思う「恋」とは違うから、嫌だ。生活の役に立つために付き合うのも嫌だ。おまえの人生の役に立ってたまるかい。もしも好きになってもらえるのなら、私に条件抜きの恋をしてほしい。

私の「好きな人に言われて気持ちのいいセリフ」第1位は、「こんなはずじゃなかった」である。好きな人が私を好きになったおかげで困っているとニコニコしてしまう。好きな人の順調な人生を少しでも壊したいし、私も「こんなはずじゃなかった」と思いたい。条件抜きに、性癖で好きになって、「こんなはずじゃなかったのに」と思いながら、お互いの人生を少しずつ壊し合いたい。それが恋の醍醐味だと思うから。

Text/雨あがりの少女