結婚前のインテリアの趣味はチェックポイント
私は困り果てました。そして、なんとか「壁にある画だけは我慢できないから、とりはずして欲しい」と交渉に入ったのです。ところが、交渉は難航を極め、ケンカになるほどでした。
インテリアを自分の好みに変えることができないことが分かると、背筋がぞっとして、目の前が真っ暗になるほど絶望を覚えた私。
それまで、恋さえできれば私のパリでの人生はバラ色になる、そう信じていたのに、恋人との「インテリアの趣味の違い」があるというだけで、これほどの精神的な困難にぶつかるとは予想もしていませんでした。
よく、結婚相手になる人とは「食事の趣味が合うのがいい」と聞きますが、「インテリアの趣味が会う人がいい」なんて聞いたことは一度もありません。
一体、他のカップルたちは、インテリアにどう折り合いをつけているんだろうか?と思って、周りの日仏カップルに聞いてまわったことがあります。すると「私が勝手に決めてる」という人が多かったのです。
うちもそうだったら、どんなに楽なことか…。結局、私は時間をかけ、粘りに粘って、一つ一つ、我が家のインテリアを、あーでもない、こうでもないと旦那との交渉を続けました。現在は、彼の趣味の黒&赤スタイルはほぼ消え去り、私好みのカラフルに変身してしまっている状態です。
いまでこそ、自分の居心地のよい空間スタイルになったものの、最初の交渉は大ゲンカになることもしばしばで、まさかインテリアで破局を迎えることもあるのか!?という危機を感じたこともあったほどです。
食べ物の趣味以上に、お互いのインテリアの趣味の合う、合わない、どうでもいい、なのか、結婚前に必ずチェックしておくポイントだと思います。
Text/中村綾花
初出:2015.04.26
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