結婚生活でハマる「インテリアの趣味の違い」という意外な落とし穴

一緒に住んで初めて気づく彼との趣味の違い

中村綾花 AMパリ支局がお送りする 結婚と幸せの方程式 フランス 純愛 Shélin Graziela

朝夜は冷え込むパリですが、日本の皆さんはいかがお過ごしでしょうか?昼になると太陽の光を直に浴びるバスは、オーブンのように熱され、Tシャツ一枚でないと我慢できない程です。あれほど長かった冬がウソのよう。

気温が20度近くまで上がる日のバス車内では、日本の湿気ほどはないものの、エアコンがないのでムンムンとした熱気がこもりがちです。熱気だけですめば良いのですが、移民の多いパリならでは、いろんな民族の体臭がこもってしまうので、それはそれは色々な匂いのオンパレードを体験できることもあるわけで…。

安い香水を、これでもか!と振りまくマドモワゼルもいれば、動物のような匂いを発するムッシューもいます。ただ、バスのよいところは、地下鉄の悪臭ほどの被害はないことでしょうか。

パリの地下鉄は、鼻がまがるほど臭いのです。その臭さの原因は人間の小便。ですから、電車がくるのを待っている間、まるで公衆トイレの中で待っているような地獄を味わうことになります。
パリが花の都だと思っているAMの読者のみなさまは、おシャレなファッション雑誌でしかパリを知らないかもしれませんが、現実のパリはそういうところなんですよ!

さて、パリの本当の姿を紹介するのはこの辺にして、今回も結婚にまつわる色々なお話をしようと思います。

私が今の旦那さんとおつきあいを始めて、初めて彼のアパートを尋ねたときのことでした。

私が感じた彼の住処の印象は「黒と赤」で「随分、ダークなインテリアだなぁ、居心地が悪いなぁ…」ということでした。訪問したのが真冬で、夜だったということもあったから、余計にそう思ったのでしょう。

その時まで、自分が彼の家に転がり込むと思っていなかったので、彼のインテリアの趣味については「他人ごと」だと思っていました。ところが、いざ私がその空間で住むとなると、その居心地の悪さは無視できないほどに大きな問題だということに気がつきました。

こちらが住まわせてもらう分際だというのに、彼の趣味が気に食わず、我慢できなかったのです。

壁にかかっている謎の画、カーテンの色、IKEAで買った黒いソファー、ベッドカバー、etc…つまり、ありとあらゆる趣味が私の趣味と違っていました。

そこで私は彼にインテリアの変更の相談を持ちかけました。すると、彼は彼なりのこだわりをもって選んだものなので、譲れない点が数多くあることが分かったのです。