男の子を論破してもいいことなんて一つもない
紫原 ところで美咲さんの著書『新型ぶりっ子のススメ』では、好きな男の子のプライドを傷つけないことがいかに大事かということが繰り返し説かれていますが、これってかなり切実な問題ですよね。実際、美咲さんは芸能人で、同世代の男の子よりも、もしかしたら収入が多いかもしれません。周りの男の子は、美咲さんのキャリアや収入によってプライドを傷つけられたりしませんか?
下田 まず、私は彼の前では絶対に財布を出さないです。財布を出すパフォーマンスもしません。当然のように出してもらって、当然のようにありがとうって言います。それは相手がどれだけお金がなさそうでも変わりません。私にとっては、それが彼を男として見るってことなんです。その代わり、お店も男の子に選んでもらいますけどね。
紫原 旦那さんに対しても?
下田 はい。私、絶対に養ってほしいんですよね。彼のお金で暮らしたい。そうじゃないと男として見れないですから。彼も普段から、「俺のお金で生活して、美咲ちゃんの給料は貯金して」って言ってくれてます。それに私、お金がかかることにあまり興味がないんですよね。日用品のグレードをあげるくらい。ちょっといい浄水器を買うとか。
紫原 確かに浄水器程度ならそんなにお金かからないですね(笑)。ただ、お金のことは置いておいても、美咲さんの考え方ってとても論理的だし、おまけにめちゃくちゃ頭の回転が速いですよね。そんな美咲さんの能力に対して、男の子が引け目を感じることはないですか?
下田 付き合う男の子とは仕事を一緒にしないですから。私が仕事してるとこを見たことない男の子はみんな、私のことをバカだと思ってますよ。
紫原 え! それが分かるんですか?
下田 はい。バカにしてるなっていうのは分かります。でもそれは全然気になりません。確かに私が頭いいとこあんまり見せてないしねって思うくらい。
紫原 頭がいい女の子がバカなふりをし続けるって可能ですか? 美咲さんは今日これだけロジカルな話をして、本まで書いてるわけですよね。それらを楽しめることと、自分のことをバカだと思ってる男の子と楽しく居続けることって両立可能です?
下田 バカなフリはしてないんですよ。嘘はついてないんです。ただ賢さを見せる機会がないだけ。
基本的に、私が男の子に求めることは酔っ払って潰れた私を持ち帰ってもらうことだけだから、下手したら食事したり会話したりもしない。ジャンケンして一気飲みするだけです。ジャンケンしただけで私が頭いいとか気付いたら逆にすごい(笑)。
紫原 へえ!だとすると、結婚となればまた話が変わってきますね?
下田 確かに、結婚となると話し合いが必要な機会が増えますね。私、極力喋りたくないんですよ。でも結婚の段取りをする上では、喋らなきゃいけないんで、隠せなくなってきてるなとは感じてます(笑)。すでに私の頭の良さが出てきちゃってるんで、悩みの種ですね。議論になって、相手を論破なんてしたくもないし。
紫原 論破したくないのはどうしてですか?
下田 男の子を論破していいことなんて一個もないですよ。だって男の子は自分を論破した女にエロいことしようと思えないじゃないですか。バカにされそうで。エロいシーンなんてもれなく全部バカみたいなんですよ。論破なんてされた相手には二度とエロいこと言えなくなりますよ。
紫原 うわ、それは完全に真実ですね。夫婦間でセックスレスが生じる最大の原因かも。
下田 はい。だから、彼がもし理屈で攻めてきたとして、私はそれを全部理屈で返せるけど、絶対にやらないです。「そういうこと言うの嫌」「理詰めでくるのやめて」で終わらせます。
紫原 だけどネット上のコラムやツイッターでは、美咲さんのそんな賢さは存分に出てると思いますが、旦那さんや男の子たちは見てないんですか?
下田 そういうことを始めたのはごく最近なので。もともと私はYouTubeで飲んで暴れてる女の子として世に出たので、“会ったら意外とまともだな”って思われることが多いです。普通に会話もできるんだね、頭おかしい人だと思ってた、と(笑)。
紫原 じゃあ旦那さんには極力ネットの美咲さんを検索しないでおいてほしいですね(笑)。
下田 そうですね(笑)。
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【タイトル】
新型ぶりっ子のススメ
彼に恋させる、計算ずくの恋愛戦略
【著者】
著:下田美咲
【発行】
発行:株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス
【定価】
定価(本体1300円+税)
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下田美咲
1989年生まれ。東京都出身。13歳でスカウトされモデルとして活動。2012年にゴールデンボンバーの「女々しくて」を公式カバーし歌手デビューを果たす。2014年にテレビ東京「ゴットタン」に出演し飲み姿かわいい選手権で優勝。現在バーをプロデュースするなど、タレント業の傍ら実業家としても活動
紫原 明子(しはら あきこ)
エッセイスト。1982年福岡県生。13歳と11歳の子を持つシングルマザー。個人ブログ『手の中で膨らむ』が話題となり執筆活動を本格化。著書に『家族無計画』(朝日出版社)『りこんのこども』(マガジンハウス)。Webでは『世界は一人の女を受け止められる』(SOLO)をはじめとしDress Project、AM、HRナビ、ポリタス等に連載、寄稿。2016年3月鷺森アグリ主宰abooksプロジェクト’dintje’執筆協力。Twitter ID:@akitect
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