アダルトな仕事をするデメリットは理解を得にくいこと。それでもメリットが上回る

官能小説家というのは、アダルトな職業だという大前提の上で思うのは、エロを仕事にするということにはメリットもあれば、デメリットもあるということです。例えば、両親や友人、恋人の理解を得にくいことはデメリットのひとつ。性のことを無意識に「よくないもの」と位置付けて、ナチュラルに蔑んでいる人は意外と多いし、だからか、本当は何か別の志があるにも関わらず、生活の糧を得るためにエロ文書きに甘んじていると勘違いされる場合もある。

実際、とある知人に「本当に描きたいテーマは何なの?」と問われたことがありました。いくら仕事でエロを描いているからといって、まるきり恥の心がないわけではなく、「エロが好きだから、エロを描いている」と堂々主張するのは、ちょっぴり照れもあります。それでも、わたしが描き続けていきたいテーマは男女の性についてなので、それを正直に伝えたところ、信じられないとばかりにショックな顔をされたときの立つ瀬のなさといったら! 金のためにエロ仕事をしていることは理解できても、好きでエロ仕事をやっているということは、なかなか理解してもらえない歯痒さよ。

他にも、「いくら職業に貴賤はないといっても、子どもへの影響を考えると、やっぱりママ友には伝えにくい」とか「エロが好きな女だからと、勘違いされてセクハラされがち」とか「人数合わせに誘われた合コンで職業を問われたときに、雰囲気を乱さないためには、何と答えればいいのか悩む」といった諸々の煩わしいデメリットもあります。しかし、それらすべてがあっても、総じてメリットが上回っているとも思うのです。

エロを仕事にするメリット

そのメリットとは何かというと、のびのびと生きられていること。それに尽きる。エロへの興味を抑えることなく、世の中のエロをできるだけ多くインプットし、自分の表現するエロとしてアウトプットして昇華する。好きなものを取り入れて、好きなものを生みだす仕事には、まったくストレスがない。

しかし、それとて別ジャンルで「好きを仕事にしている」というとわりと好意的に取られるのに、性にまつわることで「好きを仕事にしている」といって「え!?」と戸惑われる。性というものは隠すべきものとされてきた長い長いこれまでのことがあるから、仕方がないとはいえ、もう少しエロに対しての警戒心を解いてもらえたらいいのにと思う次第です。

Text/大泉りか

前後の連載記事