「浮気しないで」とビシッとしめる

百瀬、こっちを向いて。狗飼恭子 映画脚本 小説家 スペシャルインタビュー

――パンフレットのインタビューで、「恋人がいる人と付き合うことが汚く見えないといいな」と書かれていましたが、脚本ではどのように気を付けられたのでしょうか。

狗飼: 百瀬は決して誰かの不幸を願ったり、傷つけたりはしていないんです。
作中のセリフでも出てきますが、「いつか先輩と神林さんが別れて、先輩が一人になって自分のところに来るかもしれない」という、ものすごく小さな可能性のためだけに先輩や神林さんの前でニコニコ笑っているんですね。 それってすごく精神力のいることで、それができる子っていうのは、同性でも応援したくなるんじゃないかなと思いました。
なので、汚く見えないっていうのは、すごく大切なポイントでした。
百瀬は「いい人が嫌い」って言うけど、実は彼女自身がいい人なんだっていうところがちょっとずつ見えたらいいなと思って作っていきました。

――構図的には、百瀬か神林さんのどっちかに肩入れしちゃうと思うんですけど、なぜか両方嫌いになれないっていう魅力的な映画でした。
狗飼さんは男性の浮気には気づく方ですか?

狗飼: どうだろうな。気づかない方だと思います(笑)。

――もしも相手の浮気がわかった場合、どういう行動に出ますか?

狗飼: 彼のことを好きで、浮気に気づいたからって別れられるような精神状態でない、自分のもとに戻ってきてほしいという前提でいうと。
神林さんのように何も言わずに待っていると思います。気づいているのかな?と思わせるような行動や言動をしたり、ちょこちょこフックはかけると思います。

変な言い方かもしれないですけど、男の人になめられてしまったら浮気されると思うんです。
なので、「浮気してもいいのよ、別に」ってへらへら笑うんじゃなくて、「浮気しないでね」ってピシって決めて言うくらいの強さや大人っぽさがある程度は必要な気がします。

――「気づいているのかな」と思わせことを散りばめるんですね(笑)。

狗飼: そうそう。「今日機嫌いいね」って言ってみたりとか(笑)。

――(笑)。もしものときは使ってみます。