流されてもいい。でも自分で判断できていることが重要

あなたは、自分のことを“流されやすい性格”と表現しています。
流されやすい性格と聞けばあまりいいイメージを持たない人が多いように思うのですが、わたしは別にそれでもいいと思うんですよね。
たしかに、自分で考えることすら放棄して、人の言うことを全て鵜呑みにして、結果上手く行かなかったときに「自分は悪くない、他人のせいだ」と責任転嫁するのはよくないのですが、きっとあなたはそうではないでしょう?
「私は人に流されるのが好き」でいいじゃないですか。
誰かのペースに巻き込まれるのが心地よい、道をグイグイ切り拓いて進んで行く人の後ろをついて行くのは新しい発見があって楽しい、でいいと思うのです。
なんとなくで付き合い始めたこと、あなたを大事にしてくれるのがたまたま彼だったのかもしれないことは、どちらも客観的に見たら流されていると言われるのかもしれませんが、これってとってもラッキーなことではないでしょうか。
ラッキーは、どんどん享受していきましょうよ。

少し話が逸れますが、わたしの親友の話を聞いてください。
わたしの親友もまた、流されやすい性格なんです。
極度の面倒くさがりで結果的に流されてしまっている、と表現したほうが正しく、あなたとはそこが少し異なるかもしれません。
彼女とはかれこれ12年の付き合いになりますが、彼女はハッとするほど美しくて、頭の回転も速く話もおもしろく、安定した職についていることもあり、昔からそりゃあ男性にモテたわけです。
それもあってか、来る者は拒まず去る者は追わずの恋愛が多く、自分の意志で行動することや明確な拒否をすることを苦手としていました。結果的に損をしたり、痛い目に遭ったり、深く傷ついたりと幾度となく経験してきた姿をわたしは近くで見てきました。

親友の立場としては、やっぱり彼女に傷ついてほしくないですし、自分のことをもっと大事にしてほしいとも思いますから、時には苦言を呈したり怒ったりしたこともありましたが、それでも彼女の人生は彼女にしか決める権利はないため、わたしが口を出す領域にも限界があり、話を聞くに留めるしかありません。
しばらく静観する日々が続いていた頃、彼女から「しっぺ返しがきた、今まで怠けていた天罰がついに下った」と連絡がきました。どのような内容かは伏せますが、面倒だからと考えずに人に流され続け、面倒だからと大事な人からの苦言に耳を傾けなかった結果、かなりの痛い目に遭ったうえにそれがいくつか重なったそうです。
それをきっかけにし、「自分はこのまま生きていくとやばいな、ほんとうに取返しのつかないことになるな」と気づいたと彼女は言っていました。
誰かに流されるのは苦痛ではなかったけれど、この人に流されてもいいかどうかの判断を怠っていたようなんです。その結果、深く傷つくことが何度もあり、そのたびに人と比べて「どうして自分は……」と自己嫌悪に陥ることを繰り返したのは、結局のところ楽なことに甘んじて考えることを放棄したからだ、と。

それから彼女は、流されていい人/流されてはいけない人を見極める、自分を大事にしてくれる人を大事にする、NOと言えないのならせめて物理的な距離を取る努力を始めました。

もちろん、すぐに完璧にできるようになったわけでありませんし、今でも上手くいかないことは結構あるみたいなんですが、彼女のその姿勢は立派だと思いますし、彼女の口から「今までごめんね、私はあなたを大事にしなくちゃいけなかったのにね」と聞いたときは思わず涙が出てきました。

あなたに何をお伝えしたいのかというと、あなたとわたしの親友は同じ人間だ、だからあなたにもいずれ天罰が下る、というわけではありません。

人に流されたっていいんです。でも、たとえ流されたとしても、溺れて息ができなくなってしまうところまで流されても気づかないほど、思考を停止してはいけないということ。そして、流されても大丈夫、流されてることを心地よいと思える相手をきちんと自分で見定めなくちゃいけないということ

もちろん、今回彼と結婚したからといって、何も考えずにどこまでも流されていい、幸せな結婚生活は彼が勝手につくってくれるから何も努力しなくていい、というわけではありませんから気をつけてくださいね。
どちらにしても、自分自身の幸せのために考えること、実際に行動してみること、自分の気持ちを伝える努力をすることは必要です。
きっと今すぐには上手にできないかもしれません。だから、まずは遠くまで流され過ぎないために、努力したいと思える相手か判断すること、それができるようになるまで少しの間流されても心地よいと思える相手か、という部分を、結婚する/しないの判断基準にしてはいかがでしょうか。

Text/ものすごい愛
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読むとどうしても幸せになってしまう。“ものすごい愛” にまみれたサイコーにハッピーな日常エッセイ!