買えるけど“買わない”選択をしていた

例えばスマホにしたって、バッテリーがへたって数時間しか電池が持たなくなってしまっても、バッテリーパックとケーブルを持ち歩くようにしてしばらく使い続けていたし、ブーツの踵がすり減ってるなぁと思っていながらも、あと1シーズンだけと、今年の冬の間履き続けてもいた。恋人と別れるときだって、相手に「別れたくない」とすがられると、ついつい「もう少し続けてみようか」と断ち切れない。

しかし、そういったものを思い切って買い替える度に思うのは「こんなに快適になるんだったら、さっさと捨てて、新しいのに買い替えればよかった」ということなのです。家を出るときにフル充電しておいたスマホが夜まで持つストレスのなさ、新しい靴を履いた足元に目を落とす度にあがるテンション。休日の予定を恋人中心に考えなくていい開放感。

買い替えたヘアアイロンは、たった3,270円だというのに、機能が向上したのか、使うと髪の毛がツヤツヤにもなる。もちろん火傷なんてまったくしなくなりました。やはり「愛着があるから」「まだ使えないこともないから」「最近、まともなセックスをしてくれないけど、一緒にいて楽だから」などと、不便さや不満に目をつぶって保持し続けても、いいことはない。“捨てる”“新しいものに変える”をもっとカジュアルにできるようになるために、この快適さは忘れないようにしようと思いながら、毎朝、髪を巻いています。いやー、マジで買い替えてよかった。

Text/大泉りか

前後の連載記事