お酒の席の会話では自分も同じ速度の車に乗っていたい

そういえば男性もいるお酒の席に招かれるとき、男性が面白ネタを披露し、女性はそれを聞いて面白がる、という暗黙の役割分担があるケースが少なくない。よく分からないけど、女性が積極的に笑いを取りにいったり、ネタ的な話題に加担したりすると、モテ的な観点でマイナスに働いたりするらしい。男性が女性を楽しませようとしてくれるサービス精神は大変ありがたいし、いい女たるオーラをまとうにはサービスされて然るべき、といった態度を必要とする場合もあるのだろう。

が、そうは言っても、私はやっぱり、ただ笑ってるだけの食事より、自分の中からどんどん言葉が出てくるような食事の方が楽しい。以前、漫画編集者ら数名との食事会で、このネタにはこんなキャッチをつけてこんな売り方をしよう、といった話題でとめどなくボケあったときなんか、もう最高に楽しかった。

架空の物語を話の中でどんどん商品化していく、そんなドライブ感って、自分も同じ速度で走る車に乗ってないと感じられない。パラソル持ってコース脇に立ってるサーキットの娘では、絶対に味わえない。コンテンツを大切にする男性の視線をただ暖かく見守るのでなく、プレイヤーとして一緒にコンテンツを作り上げていきたい。会話の中で、産み育てたい。

そういったことをふまえて再度振り返ってみると、やはりあの緑の玉に端を発したキャバクラのマジックお姉さんの存在というのは、私の中で圧倒的なインパクトを持っていた。男性を気持ちよくさせるべきキャバクラという場で、自らのコンテンツ力を極限まで高め、緑の玉を自在に繰り出す美しき魔術師。キャバクラ界に新風を吹かせるジャンヌダルクとして、ますますのご活躍を陰ながらお祈りしている次第である。

Text/紫原明子

※2015年11月24日に「SOLO」で掲載しました