岩倉のおすすめ

2018買ってよかった読んでよかったおすすめの本

社会人を10年以上やっていると、変に分別がついて思慮深くなり、思い切ったことができなくなりますよね。やはりときには本能的で原初的な衝動に身を任せたほうがいいのではないか、そうだ燃やそう。あらゆる意味で燃やすのにぴったりな2冊をご紹介します。

大正時代に活躍したアナーキスト、伊藤野枝の人生を綴った本です。
この伊藤野枝がすごく欲望に素直で、読んでてスカッとします。

上京したいと思ったら全力で親族を頼るし
親が決めた結婚からは逃げ出すし
捕まったって書きたいこと書くし
好いた男ができたら他の女おしのけて絶対に一緒になるし。

結婚制度くそくらえ! 社会道徳なんか知るか! 資本家なんかぶっつぶせ! 金がなくても好きに生きるぞ!
そんなわがまま上等な生き様は、何かと遠慮しがちな現代女性に読んでほしいと思います。そう、遠慮なんかしなくてもいいんです。

私はとても感動して、会社の女性社員たちとの読書会の本として提案。
読書会ではチューハイを飲みながら、伊藤野枝を見習ってみんなで「資本家をぶっつぶせ!」「金よこせ!」「会社に火をつけろ!」と息巻き、ゲッポーという弊社経営陣への目安箱みたいなシステムに、ボロカス書いて投書しました。伊藤野枝、勇気をありがとう。

けれどとくに待遇は改善されていません。やはり本当に燃やすしかないのだろうか……。

猥談ひとり旅(カレー沢薫)

AMでも連載してくださっているカレー沢薫さんが、飲む、打つ、買うでおなじみの「週刊漫画ゴラク」に連載していたコラムをまとめた本です。

テーマは「使えそうでやっぱり使えないエロ知識」で、徹頭徹尾下ネタになっています。
けれど、取材なし、ご自身の体験談なし。それで一冊書き上げるカレー沢さんの作家としての力量に感嘆いたしますし、生々しさがなく読みやすいです。

そして基本的には「使えないエロ知識」ばかりですが、時折差し込まれるゴラク編集部の腐女子編集部員による下ネタは有意義です。私もメンズストリップに行きたくなりました。ハプバー行ってる場合じゃねえ!

しかもこの本、暖房器具としても活用可能!
読めばおもしろいし燃やせば暖かい一冊二役の次世代書籍。これはもう実質無料と言ってもいいのではないでしょうか。
(岩倉)

石島のおすすめ

2018買ってよかった読んでよかったおすすめの本

今年はときめきたい気分だったので、田辺聖子や一木けい、山崎ナオコーラなど恋愛小説系を多めに読んできました。いやぁ、小説って本当にいいものですね。

その中でも個人的ベスト2を以下、敬称略ですが心の中では「大先生」付きでお届けします。

私はあなたの瞳の林檎(舞城王太郎)

今年の10月に発売された『私はあなたの瞳の林檎』。舞城王太郎にとって久しぶりの新刊で、しかもテーマは恋!
とはいえ舞城だし、一体いつ猫の死体や連続殺人や空中に浮かぶ家族が出てくるんだろうと思っていたら、純度100%の恋!

中編小説が3編収められているのですが、美大生の恋と苦悩を描いた『ほにゃららサラダ』が一番好きでした。美大生だけど自分を凡人だと自覚してて、それでも何者かになりたい!と思っている主人公女子が、天才ボーイに恋をします。

でもその天才君はまあまあひねくれてて、まわりの美大生に対して「でもあいつのやってることも結局んとこうんこサラダだよな」とか言っちゃうわけです。題名の『ほにゃららサラダ』って「うんこサラダ」だったんだ!と。

でも「うんこサラダ」わかる! 自分の作ったものに対しても「これ、うんこサラダでは?」と思っちゃう感じあるのわかる。自分の「うんこサラダ」と向き合いつつ、戦友たちが新しい視点をくれるのがまじで大学っぽくて、なにか作ってた人なら絶対刺さります。

風花(川上弘美)

10年前の小説ですが、個人的に2018年ベストワンでした。尊み秀吉……。

川上作品といえば、キツネにつままれるようなSF(すこしふしぎ)っぽい世界観が多いんですが、『風花』はめっちゃリアルな結婚小説です。

結婚7年目、33歳の主人公「のゆり」は夫が不倫していることを匿名の電話で知らされます。いわゆるサレ妻! 急に俗っぽい感じですが、『風花』はドラマチックすぎないのがいいんです。

自宅にかかる無言電話、不倫相手との食事、職場で出会った若い男。
多くのサレ妻作品ではドラマを盛り上げる装置にしか使われないそれらが、『風花』のなかでは本当にただ「あったもの」として息づいている。だから、登場人物の感情がリアルで、彼らの行動にも納得ができます。

派手じゃない、地味につづく不倫の生活。おどおどしていた「のゆり」が、しだいに背筋を正していくさまをぜひ読んでください。
(石島)

橋本のおすすめ

2018買ってよかった読んでよかったおすすめの本

高校生の頃1人で漫喫通いすぎて顔を覚えられてしまい、行くたびにコミック◯スターズ◯◯店の店長から何故かタダでうまい棒もらってました。ただ、最近は何十巻もあるような漫画を読むのが時間的にも集中力的にも厳しく……。この2冊は大人になってからでも読めて「おもしろいな」と思った漫画です。

モテずに死ねるか!(花津ハナヨ)

ドラマ化された漫画『CAとお呼びっ!』の作者・花津ハナヨさんが独身時代の「恋愛迷子」だった様子を綴ったコミックエッセイ。
若い頃に恋愛を謳歌しなかった花津さんがアラサーになり急に「モテたい!」と奔走するけど、ことごとく迷走しまくる……というお話です。

若い頃はモテ服を着る女を見下していたけど、アラサーになって急に「モテ服ええやん!」と思って着てみたら、急に女扱いされるようになって「おお!こんなことならもっと早く着ておけばよかった!」と思うけど、でもやっぱりモテないっていうシーンがあるんですけど、これまんま私です……。
あとは、合コンだの紹介だの色々な男性と会ってみるものの変な奴に当たったり自分がやらかしたり、やっとのことで彼氏ができるけど自分が原因で一瞬でふられたり……。

こじらせエピソードが「え、これ私か……?」と震えました……。
色々紆余曲折するんですけど、でも最後は元々全く好みでなかったタイプの人とマッチングして結婚するんですよね。こじらせ女子としてはすごく勇気付けられます……! こじらせたAM読者にぜひおすすめしたい作品です。
結婚までの道のりを綴った『結婚相手ってどこに落ちてるの?』もおもしろいですよ。

今回紹介するのは藤子不二雄の1人である「藤子・F・不二雄」の短編集です。

ちなみに藤子 不二雄Ⓐの作品はブラックユーモア作品が多く、Fはドラえもんや21エモンなど、近未来を扱う作品が多いんですよ。
今回紹介する短編集も、そのFの特徴が存分に活かされいて、どの話も面白いんですよね。その中でも私が特にお気に入りの短編のあらすじを1つ紹介します。

・パラレル同窓会
主人公・高根望彦(53才)は、人生の勝者であることを自覚する一方でどこか満たされない思いを抱えながら、社長として業務をこなす日々を送っていた。そんな高根にある日、パラレル同窓会のハガキが届く。「なんだこれ」と特に気にしなかったが、その日から急にもう1人の自分が現れる。もう1人の自分とは、パラレルワールドに住む自分。つまり「選択の余地のある局面ごとに可能性の数だけ枝別れした世界」に存在する数多くの自分のうちの1人だった。パラレル同窓会というのは、その枝分かれした世界にいる無数の自分が一同に介する場のこと。社長になれなかった自分、別の職業の自分、犯罪者の自分……高根は様々な「自分がなる可能性があった自分」に出会う。そこで、自分が本当になりたかった自分が現れて……。

というストーリー。

他にも、ある理由である組織から監視される『並平家の1日』や、これは3巻に収録されているんですが『カンビュセスの籤』『ノスタル爺』なんかもおすすめです。
どこかおかしかったり、切なかったり、懐かしかったりするストーリーが多いので、ぜひ読んでみてください。
(橋本)

次回は<私たちも決めてみたかったんだ「2018年ベストコスメ」>です。
年末になるとバズりだすコスメ垢の「#ベストコスメ2018」。今年はAMも便乗します。5名の編集部員が今年買ってよかったコスメを厳選してご紹介します! 厚塗りしたくない、アラサーの肌をなんとかしたい、違いはわからないけどイイものを使いたい、など様々な悩みを解決するコスメが見つかるかも。