はじめて教わったクリームソーダの作り方

数えきれないくらい訪れていて他のメニューも気になっているにも関わらず、こちらではいつも青いクリームソーダを注文してしまいます。

荻窪「珈里亜」

初めて注文した時に運ばれてきたそれを見た時の感動が未だに色褪せないことはもちろん、今まで「クリームソーダは店で頂くもの」と思いこんでいた私に、クリームソーダの作り方を教えてくれたのは、こちらのマスターだったからです。

<クリームソーダの作り方>
①グラスに1オンスのシロップを入れる。
②その上から氷を入れて、ソーダ水を注いだらぐるりとかきまわす(すぐにアイスクリームを乗せるとぶくぶくと泡だってしまうため)。
③炭酸が落ち着いた頃、アイスクリームをまあるく盛り付けたら出来上がり。
お好みでさくらんぼや綺麗な色をした果物を入れて。

いつ見ても透明感のある青いソーダの美しさの秘密は、マスター曰く「毎回シロップの量をきちんと量っているから」とのこと。

グラスの中でくるくるとストローをまわしながら、目をやった大きな窓の向こうでは、ひっきりなしにやってくる中央線に総武線、たまに東西線。朝よりもほっとした顔で運ばれていくたくさんの人たち。
知らない地名を照らしながらやってくる赤と白の鮮やかなバスに、何度となく飛び乗ってしまいたい衝動にかられて。

荻窪「珈里亜」

通り過ぎる人たちがそれぞれの暮らしの中で笑ったり泣いたりしていることを想像したりしながらも、ぼんやりと夜がやってくるのを待つのです。

夏がやってくる前のひととき。こんな風に過ごしてみるのはいかがでしょうか?

Text/難波里奈

※2017年5月26日に「SOLO」で掲載しました

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