絶品フレンチトーストは幸せな香りを堪能出来るカウンター席

カウンター席初心者にオススメの喫茶店

学芸大学・珈琲と紅茶とバロック音楽・平均律平均律

「ここにはエリサさんに会いに来ているの。」
カウンター席に座っていた常連らしき女性が笑顔で話して下さいました。美味しい珈琲や食事、流れる音楽などが目当てで純喫茶を訪れるのはもちろん、店主とのお話しが楽しみで来店される方も多いのではないでしょうか

 カウンター席に座ることは難易度が高いイメージがあるかもしれませんが、「緊張してしまう、でも座ってみたい。」という方のために学芸大学の『平均律』という店をお薦めしたいと思います。
「珈琲と紅茶とバロック音楽」と看板に書かれた入口が目印のこのお店は、階段を上がると、珈琲豆のような色の家具で統一された店内が扉越しに見えます。そして振り向くと階段上部にはなぜか馬の鞍が飾られており、テーブル席ではステンドグラスが色を添えます。

学芸大学・珈琲と紅茶とバロック音楽・平均律平均律

 現在お店をお休みすることが多いマスターに変わって店を守るのは、いつも笑顔を絶やさず、アンニュイな空気を纏うエリサさん。「本名じゃないのだけどね。」というやり取りもどこかミステリアスです。

 以前表参道の人気店だったこの店は平成2年に一度惜しまれつつも閉店し、平成13年に学芸大学で再開店しました。絶品の菓子メニューは、菓子やパン教室の講師を務めたこともある腕前の持ち主であるエリサさんの手作りによるもの。「凝り性なのよ。」というエリサさんはフランス料理もお得意のようです。

 カウンター席に座って頂きたい理由は、もちろんエリサさんとの会話を楽しんでほしいという願いもありますが、それとは別にフレンチトーストを注文した時のバターが溶ける幸せな香りを一番近くで堪能出来るからです。こちらではウインナーコーヒーもお薦めです。
コーヒーに生クリームが添えられた一般的なものではなく、透明なグラスにグラニュー糖、珈琲、生クリームが順に注がれ、美しい3層を眺めることが出来るのです。

学芸大学・珈琲と紅茶とバロック音楽・平均律平均律

 持ち帰りの出来るバナナケーキやホットビスケットは次の日の朝食にいかがでしょうか。

 店内には興味深い本や雑誌も多数置かれているのでじっくりと読みふけるのもおすすめです。

Text/難波里奈

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※2016年2月19日に「SOLO」で掲載しました