洗脳された結婚願望を抱き続ける女たち

女性が物思いに耽る写真 Alena Getman

結婚のメリットやデメリットが日々手を替え品を替え語られる今日この頃ですが、読者のみなさまはいかがお過ごしでしょうか。ちなみに今回のタイトル、「洗脳された結婚願望を抱き続ける女」とは何を隠そう、このワタクシのことでございます。クールな性格を装っているからか「結婚願望がある」というと驚かれることも多いのですが、実は毎日3秒に1回くらい「結婚したーい」って思ってます。

……えーと、3秒に1回はさすがに盛りましたが、毎日1回は頭のなかでbotのように「結婚したーい」と呟いているのは本当です。今回は、そんな我々独身女性の「結婚願望」について、ちょっと考えてみましょう。あ、でも既婚の方も、未婚時代のことを思い出して考えてみてくださいね。

「結婚したい」と解体すると、何が出てくる?

ところで今更ですが、みなさんは「結婚とは何か」という、定義を答えることができるでしょうか。社会学者の上野千鶴子氏はこれを「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって特定の異性に対して排他的に譲渡する契約」としているのですが、私も結婚について考えるときはこの定義を採用しています。

もちろん法的には、離婚するときの財産分与の話とかいろいろあると思うのだけど、法律の話は私がよくわからないので割愛します。つまり、独身女性がいう「結婚したーい」は、「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって特定の異性に対して排他的に譲渡したーい」といっていることになります。うーん、でもなんか変ですね、本当にみんなそんなこと思ってる? 思っているとしたら、それはなぜ?

「結婚したい」という願望はとても漠然としていて、同じアラサ―女性の「結婚したい」でも、その裏にある思いはきっと様々です。たとえば、男性の反感を買いそうな願望として「働かずに(もしくはパートとかで)養ってもらいたい」というやつがありますが、私のまわりの女性は未婚でも既婚でもみんな文句をいいつつ自立して働いているので、「養ってもらいたい」という願望を抱いている女性ってそんなに数は多くないんじゃないかと思うんですよね。

では実際の「結婚したい」を解体すると何が出てくるのかというと、1つ思考実験をしてみましょう。たとえばあなたが事実婚の国・フランスに移住することになったとして、それでも婚姻届を提出する「結婚」をしたいと思いますか? 自分の生涯に寄り添ってくれる人がいたら心強いし、そんな人と一緒に暮らせたら毎日が楽しいだろうなとは思うけれど、そのために婚姻届を提出する必要はあるでしょうか。子供を育てることになったら法的に結婚したほうが便利な気がするけれど、それだったら実際に子供ができた後で婚姻届を提出しても遅くないはず。

この思考実験を通して考えると、私の場合は、きっとまわりが事実婚なら自分も事実婚でいーや、って思ってしまう気がしたんですよね。みんなが大学に行くから私も大学に行くのが普通だと思ってた、みたいな話です。