解決する気のないちょっとした悩み

先日も、このナメられ案件が発生した。友人3人と酒を飲んでいて、2軒目にどこに行くか悩んでいたとき、ちょうど目の前にあるHUBに入って2杯くらい飲んで帰ろうかという話になった。だが、私はHUBにいい思い出がまったくない。男女関係なく、誰と行っても同じ末路を辿る。大体、よくわからない人が話に割り込んできて、その場の空気がどんどんつまらないものになっていくのだった。

この日も、音楽の趣味があう友達と転職の話やら日常のくだらない話をしていた。すると、知らない女性が私に向かって「え~それ、何飲んでいるんですかぁ?」と話かけてきた。「いや、見りゃわかんだろ」と思いつつ、私たちは初対面だ、いけないいけない、ここは波風を立てず穏便に返事をするとしようか……。しかしその後も「どういう関係なんですか?」「仕事は?」だの、どうでもいい話をしてくる。どうやら久しぶりに会った女性とふたりで来たらしい。だったら、2人で盛り上がればいいのでは……そう思う頃には、私は2人のつまらなすぎる話に飽き、対応を友人に任せて、ひとり読書をしていたのだった。

飲み屋で知らない人に声をかけられるのが嫌いだ(ただし、スナックは除く)。そういう人に面白いと思ったことが一度もないからだ。それなのに、ひとりでいるときだけではなく、誰かと一緒にいるときも、なぜか私に向かって声をかけてくることが多い。美容院に行ったときも、隣にいるお客さんが話に割り込んでくることもある。これもナメられのひとつなのだろうか。わからないが、人から声をかけられることが本当に多い。いつも途中で何もかもが嫌になってしまい、友人をはじめ一緒に飲んでいる人たちに対応を任せてしまう。なんだか申し訳ない。

きちんと打ち解けることができたり、輪を広げることができる人ならいいかもしれないが、どうも私は苦手だ。5分もしないうちに一気に興味がなくなる。変に外面がいいからなのか、否定することもなく、煮え切らない態度でモヤモヤを抱えながら、いつもその場をやり過ごす。

話しかけられないようになりたい。でも、人からまったく話しかけられないのも悩みのひとつになるのだろうか。もっとうまく対応できるようになれたらいいのに。やっぱり、私にとってナメられは、解決する気のないちょっとした悩みのひとつだ。

Text/あたそ

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