自分で居場所を探さなきゃいけないけど
忘年会の日。ひとりで好きな音楽でも聴きながら向かおうと、イヤホンを片手に歩き出した瞬間、先輩に捕獲され、会場まで一緒に移動することになった。まさか「タクシーで行こう」という言葉を、私に投げかけられるなんて考えてもいなかった。
居場所を見つけられなかった私は、人に声を掛けてもらうことによって自分の場所を作ってもらうことになり、申し訳なさを感じてしまうのだった。
「ひとりがいい」とか「ひとりの方が自分にはあっている」といくら思っていようが、会社という集団に属している限りは、なにかしらに馴染んだり、馴染んでいるフリをしなければならない。どんなに窮屈であっても。
学生だった頃は、周囲にいる人は同い年の友人とか年の近い先輩や後輩だけだったから、なんとかやり過ごすことができたけれど、会社に所属してしまうと、そういう訳にはいかない。自分で居場所を探さなければ、大勢の中にいるひとりにしかならない。
集団のなかでも上手く馴染んでいける術とか、違和感なく自分の居場所を見つけられる技術みたいなものを一切身に付けてこなかった私は、これからもその場をやり過ごそうとする度に、自分のことを俯瞰している私が「このままでいいの?」「ちゃんと馴染めているの?」「本当に楽しいと思っている?」と尋ねてくるのだと思う。
Text/あたそ
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どうせ働かなければいけないのだから、月曜日が来ることを嫌に思わない仕事をしよう。
※2017年12月19日に「SOLO」で掲載しました
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