夏フェスに「誰と行くのか?」は重要なのか
最近は、夏になると毎週のように各地でフェスが行われている。
花火大会とかビアガーデンとか、夏の風物詩のひとつに追加され、一昔前と比較すると普段音楽を聴かないような人たちも見かけるようになった。
今巷で流行っていて話題にあがるような夏フェスでは、「どんなアーティストが出るのか?」よりも、「誰と行くのか?」ということに重きが置かれている気がしている。好きな音楽を聴けるというよりも、恋人とか友達とか、特定の人と思い出を作るためのイベントになっているように思う。
音楽という分かりやすいカルチャーを通じて、他人と同じ体験をする。一種の帰属意識みたいなものが生まれると、TwitterとかInstagramとか、SNSで自分と同じような趣味や価値観を持つ人を見つけやすくなるし、「同じ場所にいた」というだけで距離がぐっと近くなる。
人との関わり合いをうっとうしく思っている人間がインターネットを使っていたのに、今は自分と似たような人を見つけるためのツールになったと勝手に思っている。否定する気は全くなくて、時代の流れなんだろうなあ、と思う。多分。
どれだけ便利になっても、必ず寂しさはまとわりついている。自分の似た価値観の人にそばにいて欲しい、人に認められたい、特別だと思っている人に特別だと思って欲しい、みたいな感情は絶対になくならないんだろう。
その感情をうまいこと埋めていくために、フェスとかSNSが利用されている。気がする。きっと。自信ないけど。なんとなく。客観的に見ていて。
もう、なんか、ひとりでもいいや!
今年は、フジロックとホステスオールナイターというサマーソニック内の深夜イベントにも行くつもり。恐らく、ひとりで。
ひとりでフェスというと、一人で海外旅行よりもハードルが高いと思う。しかも深夜のイベントに一人で参加するのはそれなりに辛い。眠いし。周囲が大勢でわいわい語り合いながらご飯を食べている中で、一人ボーッとビールを飲んでいると「何やってんだろうな」と一瞬思うことだってある。
でも、自分と同じような音楽の趣味をしている人を見つけて誘うのも面倒くさいし、仮に誰かと一緒に行ったとしても会場で別々に行動する時間が長くなるだろうと思うと、もう、なんか、ひとりでもいいや! と思ってしまう。
音楽を好きな友人ならたくさんいるし、誰かしらいるだろう、という思惑もある。毎年フェスでしか会わない人も何人かいるけど、大抵話が盛り上がらない。でも、そういう人に会うのも楽しかったりする。誰かと行動しているとまた別の友人にばったり出会うこともある。知らない人同士を紹介するのもまあ面倒臭い。
人と一緒にいることと、人に気を遣わず好き勝手にふらふらすることを天秤にかけた時、結局、自分勝手に行動することが勝ってしまう。夏フェスだけじゃなくって、旅行でもなんでもそうなんだけど……。
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