先日、飲んだ流れで、誘われてキャバクラに行きました。前回に行ったのはおそらく20代、女友達が働いている店に冷やかしで男友達を誘って行ったのが最後だったはずで、たしかひとり2万円くらいのお会計だった。酔っ払ったノリだったとはいえ「わたしはなぜ、いつもは割り勘で飲む関係の女友達に高額を費やしているのか」と首を傾げたこと、そして後日、男友達が女友達指名で再び来店したと聞いて「ハマったのか」と笑ってしまったことを憶えています。
キャバ嬢に「どんなご関係？」と聞かれて
というわけで久しぶりのキャバクラ。席についてくれたのは上京したての20代前半の女の子で、水商売は初めてらしくどこかぎこちない。まぁ、お母さんでもまったくおかしくない女の人にどんな話を振ればいいかは難しいよなと思ってタイプロの話を振ってみたら案の定、盛り上がった。タイプロのテッパンさはすごい。一方で同行の男性についたのは29歳の女の子で、盛り上がっている様子。というか、同行者が盛り上げている。そんな最中、タイプロ話の合間にキャバ嬢が「おふたりは、どんなご関係なんですか？」と問うてきた。
関係としてはそういうご関係、なんですが、その時、わたしの口から咄嗟に出たのは「え、さっき出会ったばっかりの知らない人」という真っ赤な嘘だった。どうしてだ。「え、なんでそんな関係でキャバクラに？」と問われるのを説明するのが面倒だったとか、せっかく盛り上がっているところ、同行者についているキャバ嬢のテンションが下がったり、やりにくくなってしまったら申し訳ないなという忖度があったとか、様々な要因がありつつも翌日、少し自己嫌悪になったのは、「昔、キャバで働いていた頃、あからさまな嘘ばっかりいう客、ウザかったなー」ということを思い出したからです。あの頃、嫌だなと思っていたおじ振る舞いをしてしまうなんて。
酔うとおじさんムーブをしてしまう
というようなことを先日、女友達が、「最近、酔っ払うとセクハラおじさんムーブをしてしまう。『かわいいね』とか囁きながら、男の子の膝にタッチしたり、手を握って擦っていたり……」という悩みを吐露しているのを聞いて「わたしもだよ。こないだ行ったキャバクラで……」と話したところ、「なんでカップルでキャバクラに！？」と完全に話のテーマが逸れてしまったので、やっぱり真っ赤な嘘を吐いたのは正解だったのではないかとも思ったりもしつつ、昨日届いた「タイプロのお話したいんですが、今日空いていたりしませんか？」という営業LINEは既読無視させていただきました。男連れで来た女に営業掛けても仕方ないだろ。もしかして「さっき出会ったばっかりの知らない人」というのをマジで信じていたりするのだろうか。
Text／大泉りか
