小中高の友達は1人もいない。だけど自分で人間関係を選べる今の方がずっと居心地いい

久々に再開した友人の画像イメージ
©️Toa Heftiba

大人になってからの人付き合い

最近なぜか、ここ近年ほとんど連絡を取り合わなかったような人たちと遊んだり、酒を飲んだりする機会がやたらと多かった。

例えば、卒業以降一度も連絡を取り合っていなかった大学1年の授業が被っただけのやたらと趣味の合う別学部の友人と、昼から西荻窪のガストで酒を飲んで猫型配膳ロボットに感激したりとか、コロナ禍以降連絡を取らなくなった友人から突然火鍋に誘われて近況報告をしたりとか、5年以上音信不通だった昔の友達と新宿の紀伊国屋でばったり再会して後日改めて酒を飲んだりとか。

2週間前には長年の夢だった18キロの羊の丸焼きを食べる会を行った。やたらと美味かった。18キロは5歳児の平均体重らしい。会を決行するにあたって20人以上が必要となるのだが、ここでも元マイミクやら7年前何かの飲み会で連絡先を交換してからほぼ何も音沙汰がなかった人やら絶縁した友達の元カレやらイスラエルで友達になった人やらに片っ端から連絡をし、なんとか30人を招集できた。

ほとんど私の友達という謎メンツで構成されていて、私の友達同士が友達になっている光景がひたすら面白くてひとりでウケていたのですが、人って案外他人のことを忘れないし、誘えば来てくれるもんなんですね。あらゆるSNSで「夏だし、大勢で羊の丸焼きやりませんか?」とかいうほぼスパムに近いDMを送りまくってしまいましたが……。

自分が一方的に「切れた」と思っていた人でも関係って意外と続くもんなんだなあというのを、こういうタイミングで改めて実感する。会えば話すことなんて山ほどあったし、しょうもないことで笑い合ったりして、お互いの生活環境が変わったとしても心理的な距離感は何も変わらない。ただ、なんとなく連絡を取るタイミングを見つけられなかっただけのように思う。

そもそも定期的に会っている友達だって趣味も生活環境も金銭感覚もバラバラで共通点らしい共通点が見つけられない人もなかにはいるけど、謎の縁で繋がっていたりするわけで。とりわけ何かこれと言った理由もなく、偶然に過ぎない。

大人になってからの人付き合いって、お互いにそれなりの努力をしないと続かないじゃないですか。意識していたわけではないけれど、人に敬意を払い、関係を継続させるように働きかけられた結果が他者との縁に繋がっていて、そういう努力を自分なりにちゃんとできているんだな……と思ったりもしている。

自分で選ぶ人間関係

昔は、人間関係のリセット癖があったんですよね。だから私には、小中高の友達がひとりもいないし、「人間性に問題があるのでは?」と思わなくはないが、だからといって困るようなこともない。学校生活のなかでは価値観や趣味の合わない人たちにしか出会えなかったから、環境が変われば人間関係も途切れてしまうのも自然な流れであるような気もしている。

でも最近は、リセット癖が出ることもなくなっているように思う。入学・卒業という自分の周囲の環境がガラッと変わるイベントも起こらないからリセットしたくてもできなくなってしまった側面ももちろんあるが、大人になって自分で人間関係を選びながら、コントロールできるようになったのが大きいのだろう。

毎日顔を合わせたり連絡を取り合ったりすることもない。「この人、ちょっとな」と思う人に対しても自分を守りながら間隔を取る方法もわかってきた。お互いに努力しないと会えない関係だからこそ、無理をする必要もない。家族や恋人と比べると、優先順位もそれほど高くない。会うのもたまにでいいし、すべてにおいて理解や共感をして欲しいだなんて思わない。かなり仲のいい友達だとしても1か月に1度くらいのペースで会えばいいほう。言わなくていいことはシェアしない。お互いに細かいことは気にしない。広い社会のなかで年齢や性別に限ることなく同じ趣味・価値観を持つ友達を探すことだってできる。

学生時代の感覚で考えれば、人との心理的な距離は随分と広くなってしまったように思う。でも、私にとってはぴったり合っている。ちょうどいい人・ちょうどいい距離感を見つけることができるようになった気がする。そこに、居心地のよさを感じている。今の近くもなく遠くもなく、自分と相手に意思がなければ会うことのない関係が私にとってはしっくり来るのかもしれない。

「社会人になると、人と全然会わなくなるよ」というけれど、私にとってはこれくらいの近すぎず・遠すぎない距離感がちょうどいいのかも。人との関係って意外と終わらないし、白黒はっきりつけて終わらせる必要もない。なんとなく、長く細く、ダラダラと続くような関係がいくつもあって、会いたくなったタイミングで会えるような私にとってのちょうどいい人付き合いを、ちょっと休憩しながら深くは考えず、できるだけ長い間続けていきたい。

TEXT/あたそ