働き方のロールモデルも少ない

今までも散々言ってきたが、この社会での女性のロールモデルはあまりにも少ない。結婚して子どもを産んで時短で働くか、結婚しない/DINKsの形態をとってバリバリ働いて管理職に登り詰めるか、どちらかである。中間・ほどほどもどこかにはきっといるのだろうが、まったく見えてこない。
生き方のロールモデルも少ないのもあるが、働き続ける上での見本・理想像も同じくらい少ない。私はずっと正社員として働いており、他の業界・業種・雇用形態によって見えてくる世界は異なっているかもしれないが、働き続けるにあたって「気が強い」「お局」として恐れられながら管理職をやったり長く働き続けるか、低い給与をもらいながら誰かの補佐的な役割をして昇進・昇格にも希望を見出さずに仕事をする、そのどちらかしかない。

今後の社会では女性も働かねばならないし、結婚しなくても子どもを持たなくてもいい。多様な生き方が許される空気になったのもこの数年だろうし、だからこそ自分の理想とする生き方・働き方をしている人が少ないのだと思う。過渡期なのかもしれない。今後はますます色々な生き方・働き方をしている人が増え、どんな生活をしていたとしても珍しがられることなく、それぞれの在り方が認められるようになるのだろう。

私が誰かのロールモデルになること、私の生き方・働き方を見て「こんなやり方もあるのか！」と思われることはあるのだろうか。前例がなくても、お手本がなくたっていい。更にたくさんの生き方が認められる社会になるまでは「気が強い」「お局」と言われながら不快なことに対しては嫌な顔しつつ経営陣にチクったりして、既存のロールモデルに捉われない自分なりの生きやすさ・働きやすさを見つけたい。

Text／あたそ