職場の飲み会が驚くほどつまらない。「恋愛」が場を盛り上げるトークテーマになるもどかしさ

「女」「異性愛者」前提で話が進められてしまう

職場の飲み会のイメージ画像
by Sexto Abismo | Ginebra Surrealista

この前、久しぶりに大勢の参加する会社の飲み会に2回ほど出席したのだが、つまらなくてびっくりした。

私の部署は同世代の方が比較的多い。既婚/未婚関係なく男女がそこにいるだけで「なんかいい雰囲気になってるんじゃないの?」「あそこ、怪しいよね~」「やだ~不倫?」と冗談で言う。「僕、結婚して温かい家庭が欲しくて」から始まって合コンに参加した話や恋愛の失敗した話を聞かされる。「会社の〇〇さん、かっこいいですよね」「あの人、可愛いですよね」という話を振られる。私のいた卓がよくなかっただけかもしれないが、散々であった。

私はお酒もご飯も好きで、飲み会という場でつまらないと思うことなんて滅多にないのだが、それがこの日だった。全然楽しくない。自分が「女」というカテゴリに入っていて「異性愛者」であることを前提として話が進めされることが苦痛。まあ見た目はギリギリ女に見えるかもしれないが、私には社内で恋愛をする気も、誰かに自分の恋愛の話を打ち明ける気もさらさらない。そういうタトゥーをおでこに彫ってやろうか。

私はモヤモヤしながらも、その場で適当に受け流し、酒を浴びるほど飲んでいた。まだ、仕事の話のほうが楽しかっただろうな。なんであんな感じにことになってしまうんだろう。

なんとなく盛り上がった風になる飲み会の恋愛話

会社の飲み会なんてつまらないに決まっている。仲良くなるための場ではないし、自分にも相手にも触れる話題に制約がある。共通点もほとんどない。でも、業務外で会話をすることによって円滑に仕事を進められることもあるわけで、つまらないけれどまったく意味のないものではない。会社の飲み会ってそういうスタンスだと思うのだが、それにしてもつまらなかったし嫌な思いを何度かした。

そもそも、私は恋愛の話が嫌いだ。この手のオフィシャルな場において男女や恋愛の話をするのは話題がないからで、相互のコミュニケーション能力が不足しているからだと思っている。年齢も趣味も生育環境も異なる複数人が集まって話せることなんてほとんどない。仕事の話をしてもいいかもしれないが、全員ポジションや働く環境が違う。お酒を飲みながら話すことではないのかもしれない。

そういう話題の手札がもう残されていないとき、誰しもが今まで経験してきたと想定される男女や恋愛の話をする。他者へのからかいでも自分語りでもとりあえずはその場をとりあえずはもたせることができるし、わかりやすい。今までよりも相手の深いところを知れたような、なんとなく盛り上がった印象だけが残る。だからみんな恋愛の話をする。自分の経験談・失敗談を加味したうえでも、そのように考えている。