「年上への敬意」が友人関係を阻んでいる
その一方で、「年下は、常に年上に気を遣って会話をしているんですよ」みたいなツイートを最近見かけたのだが、本当にそうなのかなあと思う。そんな私には年下の友達がほぼおらず、基本的に一緒に酒を飲むのは年上の友達ばかりである。会社でも同じで、選んでいるつもりはないが年上の人としか飲みに行ったりしない。「なんとなく年上かも?」とは思うが、実際に何歳なのか知らない人も多かったりする。最近見た映画はどれがよかったとかあの漫画を読んだとかあそこの飯が美味かったとかそういう話しかしなくて、身の回りの生活が話題に挙がる機会のほうが少ない。だから、お互いの年齢を気にする瞬間がなくて、私にとって友達を作るうえでの大切な軸に年齢がないのかもしれない。
友達になるには、あるいは友人関係を継続させるには、お互いに興味があって、趣味などの共通項がいくつかあって、遠慮しないでなんでも言い合って、と色んな要素を含んでいる。この「友達」になるための要素と、日本人の持つ「年上への敬意」って組み合わせが悪いのかもしれない。
初対面の場やビジネスの場では、ある程度の距離感や配慮が必要になるが、大人になると出会う人が同じ年齢であることは少ない。だからこそ、一歩踏み込んだ、遠慮のないコミュニケーションを取ることが時には必要で、それが私にとって年上の友達と仲良くできるコツだったのかもしれないと今なら思う。そのガサツさや行き届かない配慮と、他人との距離を縮める境界線はどこなんだろう。いつの日か年下の人と接するときに「お節介」に姿を変えるのかもしれないのだが。
友達に年齢は関係ない。仕事や生活も含めて、肩書きを気にしないで一緒に楽しく過ごせるのが友達なんだと思う。近年は新しい人間関係を作る機会が少なくなってしまったけれど、できるだけ相手には年齢を意識させず、それ以外の部分で繋がりを持ちたいなと思う。
Text/あたそ
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