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  • 2013.10.15

おぎやはぎ・矢作はなぜモテる?/湯山玲子&二村ヒトシ対談(3)

男性がモテるために必要なのは「女が女であることを強要しない」こと。人と人との関係性をきちんと構築する手段をとるお手本となるのは意外にもテレビに登場するお笑い芸人たちでした。彼らがモテる秘訣とは、有名であること以上に「関係性」の人であることだといいます。

第3回:あやまんJAPANに引かない男がモテる!


 上野千鶴子さんとの対談『快楽上等! 3.11以降を生きる』が好調の著述家・湯山玲子さんと、『すべてはモテるためである』『恋とセックスで幸せになる秘密』が話題沸騰中のAV監督・二村ヒトシさん

 4月16日(火)に開催された、「男女のモテと快楽について」をめぐるお2人の白熱したトークショーから、その内容のごく一部を抜粋し、全4回でお届けします。
第1回「すべての女は面倒くさい」、第2回「恋愛は「文化」「趣味」と割り切るべき?」」もあわせてご覧ください。

おぎやはぎの矢作はなぜモテる?


湯山玲子さん(以下、敬称略): 話は変わるんだけど、テレビっていう大衆文化はおもしろくてね。
案外、世の中の空気や動向がいち早く表れる。お笑い芸人は人気ですが、そこに変化が出てきている。

二村ヒトシさん(以下、敬称略): お笑いをやる男性芸人たちの変容ですね。

湯山: そう、たとえば、ひと昔前だと、たけし軍団というのが席巻していたじゃないですか。
あれは「軍団」というくらいですから、トップに実力のある元首がいて、その下にヒエラルキーが作られているわけ。

二村: まあ、明らかに男性社会ですよね。

湯山: それでいうと、紳助も軍団とまではいかないけど「ファミリー」という、まさに家父長制を敷いていたでしょ。
でも、今のお笑いでそういう人いないでしょう。ひな壇芸人が並んでいても、周りの奴らを押しのけて俺が目立とう、という人はいなくて、男同士で互いに譲り合ってる感じ。

二村: 女子会っぽいノリですよね。

湯山: そうそう。空気を読みあって協調性を重視している。ということは、女性性満載。
そういう意味で、ジャニーズ系以外のタレントの中で、今いちばん人間的にモテるだろうな、と私が思ったのは、おぎやはぎなんですよ。とくに矢作さんのほう。

二村: それ、僕の本を読んで、まったく同じことをTwitterにリプライしてくれた方がいるんですよ。
今、芸能人でいちばんモテる男は、おぎやはぎの矢作さんだって。要するに、彼は「関係性」の人だってことかな。

湯山: そう、ただし関係性だけではダメで、彼はそのほかに車が好きだったり、オタク的な居場所をちゃんと作ってるのね。誰にも他人に立ち入らせない、自分だけの孤高の場所があって、そこからにおい立つフェロモンみたいのがある。

二村: それ、まさに僕が本に書いた「居場所を持っている人間がモテる」っていう話じゃないですか。
決して女性を支配しようとしているんじゃなくて、自分の中にちゃんと居場所があって、その上で女の人とコミュニケーションしている感じ。

男があやまんJAPANにドン引きする理由


湯山: そういう意味で私、とんねるずも大好きなんですよ。あの2人、そうは見えないかもしれないけど、もともと関係性の人だという気がすごくするんですね。

二村: いや、その通りだと思います。ビートたけしや松本人志というのは、自分のことを「殿」「兄さん」と呼ばせる家父長的な社会を作っていますが、本質的には自分の中に妄想があるとてもオタク寄りの人なんですよ。
一方で、とんねるずは“もろヤンキー”だから、オタク的妄想ではなく、関係性を大事にするリア充なんです。

湯山: 番組のスタッフをいじったりとか、楽屋ネタも多かったもんね。つまり、関係性の笑い。

二村: 最初から感性が非常に女性的なんだと思います。

湯山: 私がとんねるずとおぎやはぎに一目置いているのは、まさに女性に対するスタンスなんですよ。
あやまんJAPANっているじゃないですか。肩車をして男の顔を股間ではさんだり、とてつもない下品な宴会芸をする女性のパフォーマンス集団。私、大好きなんですけど。

二村: 僕も大好きです。

湯山: 彼女たちが最初に出てきたとき、とんねるずとおぎやはぎは大爆笑で、ウェルカムだったんですよね。
でも、ゴールデンの番組に出たとき、小倉智昭は本当に嫌そうな顔をして、けっこう厳しい言い方をしていた。
女が女であるという擬態をやめて、本能を見せたときに、ほとんどの男はそれを受け入れられないんだよね。

二村: それを両手放しで「おもしろい!」って笑えるとんねるずとおぎやはぎは、「女らしさ」という抑圧をかけて女性を支配しようとしない。自分の中にも女性性があることをわかっているのかもしれませんね。

【第4回へつづく】

Text/福田フクスケ


『快楽上等! 3.11以降を生きる』

湯山玲子
著述家。出版、広告の分野でクリエイティブ・ディレクター、プランナー、プロデューサーとして活動。著作に『ベルばら手帳 マンガの金字塔をオトナ読み!』(マガジンハウス)、『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(ワニブックス)など。月一回のペースで、クラシック音楽をクラブ仕様で爆音で聴く「爆クラ」を主宰。
(画像右:『快楽上等! 3.11以降を生きる』/著者:上野千鶴子、湯山玲子/発行:幻冬舎/価格:1,575円)

『恋とセックスで幸せになる秘密』
『すべてはモテるためである』

二村ヒトシ
アダルトビデオ監督。MotheRs・美少年出版社・欲望解放・レズれ!という4つのAVレーベルを主宰するほか、ムーディーズ、エスワンなどからも監督作を発売。また、ソフト・オン・デマンド制作部門であるSODクリエイト社の顧問(若手監督への「エロとは何か」指導を担当)にも就任。
公式サイト:nimurahitoshi.net
twitter:@nimurahitoshi@love_sex_bot
(画像右:『すべてはモテるためである』/著者:二村ヒトシ/発行:イースト・プレス/文庫ぎんが堂/価格:700円)(画像左:『恋とセックスで幸せになる秘密』/著者:二村ヒトシ/発行:イースト・プレス/価格:1,260円)

ライタープロフィール

福田フクスケ
フリーライター。“くすぶり男子”の視点から恋愛やジェンダー、セックスなどを考察。

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