そもそも本命の相手を見つけるには

―今までのお話で、本命のパートナーと、キスフレや愛人が両方いたらより楽しい生活が送れそうなんですが、ただ、その前に本命の男性を見つけられないという部分で悩んでいる人が多くいるように感じています。
頑なに恋愛しないと思っている人や私には恋愛は向かないと思っている人が、本命を見つけるためにオススメの方法ってありますか?

植島:技術的なことは後にして、人を好きになるってことは結構難しいことになってきているんですよね。
今は、どんどん女の人が条件を出すじゃないですか。
身長は〇センチ以上で、収入は〇円で、私には優しいけど他の女の子には目もくれない人…みたいに(笑)。
でも、条件が多くなればなるほど相手を見つけるのが難しくなってくる。
昔は選択肢がなかったから、たとえば傍にいる5人の中で誰かを選ぶという、非常にシンプルなものだったんですけどね。
今はインターネットもあって出会いは無限に広がるからこそ、なんでこの男の人と…という迷いがいつもあると思うんですね。

 でも基本的には片っぱしから好きになったらいいと思います。
僕はどちらかというと簡単な人間なので、旅先で会って何となくその人と一緒にいただけで好意を持ったりもするし、そもそも嫌いになることがほとんどないっていう性格なんです(笑)。
「恋愛できない」と悩んでいる人がたくさんいるのは、恋愛は一生に一度の決定的なもので、間違ったら終わりと思っているからじゃないですか。

─確かに…!漫画やテレビドラマの影響で、恋愛というのは突然落ちて、どうしようもなく巻き込まれて、波乱もあるみたいなものだと思ってしまいますよね。

植島:そういう恋には憧れることはあっても、いつもそういうわけにはいかないでしょう。
もっと、じわーっと温まっていくような恋もあるし。
いずれにしても、こうしてインターネットが普及して個人的にいろいろな人と繋がれる世の中って逆に恋愛を難しくさせますね。
たった5人の中で選ぶなら、「まあこの人かな」って選べるけどね(笑)。

─選択肢が多い感じはしますよね。
漠然と結婚したいと思っている女性はいっぱいいるんですけど、いざこの彼氏と結婚するってなると本当にいいのかなと迷ってしまう女性が多いように思えます。
皆さんそういうことを考えながら結婚しているとは思うんですけど。

幻冬舎担当編集さん:Facebookで自分の彼氏よりもかっこよくて、面白くて、仕事もバリバリしている人が可視化されて、大変ですよね(笑)。

─決めるのって大変ですよね。
その「この人にしよう」「この人と結婚しよう」って決めたり決めさせたりすることってどうしたらいいんですか?

植島:基本的に、多くの男性は女性に比べたら結婚したくないと思ってますね。
子どもができてから結婚するケースが増えているのは、何かキッカケがないと結婚する必要がないからなんだと思います。
だって男の30代なんて楽しくてしようがない。
一人の女の人に決めて結婚して起こるいいことってあんまりないように感じている。

 自分の場合で言うと、何年も付き合っていて、向こうの家族も知るようになったので、責任もあるなって考えるようになったんですね。
それでその時は結婚した方がお互いのためになると思ったわけです。
そういう何かきっかけがあったり責任感を感じたというケースが多いんじゃないですかね。

─女性でも、「あれ、もしかして結婚しない方が自由なのかな」っていう子も出てきている気がします。

植島:そういう選択肢も増えてきたと思うんですけど、女性は子どもを産みたい場合は、どうしてもある程度タイムリミットがあるので不利ですね。
男性の場合は、そこは関係ないからのんびりしているけど。

【第三回 四十代でも肉食女性をめざせ!】につづきます。

Text/AM編集部

植島啓司
1947年東京都生まれ。宗教人類学者。東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了後、シカゴ大学大学院に留学、M・エリアーデらのもとで研究を続ける。NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ(人類学)客員教授、関西大学教授、人間総合科学大学教授などを歴任。40年以上世界各国で宗教人類学の調査を続けている。

植島啓司 官能小説

『官能教育』
著者:植島啓司
発行:幻冬舎

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