“本命彼氏”の絶対性・優位性が崩れ 誰もが“ブラック彼氏”に

 要因はそれだけではありません。
女性の地位が社会的・経済的に向上したおかげで、女性は男性に生活を依存したり、“選んでもらう”という考え方をしなくてよくなりました。

 セックスにおいても同じです。
女性が自分の性欲に自覚的になり、「何をエロいと思うかは自分で決めていいんだ」と気付きはじめた結果、男性の自分勝手な歪んだ性欲に、無理やり合わせてあげる必要はなくなってきています。

 さらに、インターネットの普及は、他人の恋愛環境を知ることを容易にしました。
他の女性が、自分より良い男性と付き合っているのを知ってしまうと、「あれ、私の彼ってだめじゃない…?」「もっといい男がいるはずでは…?」という思いにとらわれていく。
すると、自分の彼氏が相対的に“ブラック彼氏”に見えてきてしまうのです。

 こんな状況で、“本命彼氏”を一人に決めることが果たして可能でしょうか。
恋愛相手としてのときめき、安らぎ、セックスの相性、結婚相手としての条件、経済力、性格や価値観の一致、さらに、将来的には父親になる資質まで……。
これらすべてを、一人でまかなえる男性なんてこの世に存在しません。

 このように、“本命彼氏”の絶対性・優位性はとっくに崩壊しているのです。
つまり、“オワコン”です。

 ひょっとすると、私たちはこれまで「本命彼氏と恋愛した末に結婚するのが理想である」という“恋愛結婚イデオロギー”によって、一人の男性にすべてを背負わせ過ぎていたのかもしれません。
これは、正規雇用の社員が構造的に働かされ過ぎている、現在の雇用・労働状況と似ていますよね。

 だからこそ、働き方と同じで、恋愛もリスクヘッジをしようという女性が現われても、なんら不思議ではありません。
“ノマドセックス女子”は、そのひとつの表われにすぎないのです。