妊娠や性病のリスク管理も自分で…
誰も守ってくれないノマドライフのつらさ

 いずれにしろ、“ノマドセックス女子”は、きわめて特殊で傑出した“性のスペシャリスト”であることが求められるということです。
しかも、男性側の欲望を取り込んでいる限り、実年齢が若い女の子には勝てませんから、最初から負け戦であり、無理ゲーです。

 これは、とてもすべての女性におすすめできる生き方ではありません。
そこそこの女性が、そこそこの幸せを手に入れるには、これまで通り“一人の本命彼氏に絞って関係を築き、その人と結婚する”ことを目指すほうが無難なのです。

 さらに“ノマドセックス女子”の問題点はそれだけではありません。
フリーランスのノマドワーカーが企業から守ってもらえないように、“ノマドセックス女子”には、いざというときに「彼女だから」という理由で守ってくれる彼氏がいません。
いわば会社からの福利厚生がなく、税金対策も自分でしなければならない状態です。

 複数の男性と関係を持つことによる妊娠や性病のリスクについても、すべて自分で責任を負い、対策をしなければなりません。
プロの風俗嬢は、一般の女性よりよっぽどこまめに、しっかりと性病検査を受けていますが、それと同等かそれ以上のリスク管理が問われるのです。

 また、カフェと同じで、一人の男の家に長居すれば嫌がられますし、帰るときは自分のいた痕跡を残さないのがルールでありマナー。
外のホテルを使う場合は、ホテル代もワリカンです。

 一見、自由気ままに見えるノマドセックスライフですが、本命彼氏が自分の時間や空間、所属を保証してくれず、すべてが自己責任という状況は、想像以上につらく寂しいものです。
「本命彼氏に縛られないほうが気楽だから…」といった程度の意識でノマドになると、たちまち“ヤリマン搾取”の餌食になって下層化、貧困化していくでしょう。

 にもかかわらず、なぜ“ノマドセックス女子”はあらわれ、そしてこのコラムはTwitter上でボコボコに叩かれたのでしょうか。

 最終回となる次回では、“ノマドセックス女子”登場の背景と、ノマドセックス批判から見えてくる現代の恋愛と結婚の問題点について、まとめてみたいと思います。

Text/福田フクスケ
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