「誰とでもヤる女」がいて困るのは女ではない?ヤリマンの流派

以前、超がつくほどにヤリマンだというAV女優の女性にインタビューをしたことがありました。彼女の具体的な体験人数は失念してしまったのですが、一番印象に残っているのは、「最初に就職した会社の男性社員数十人、全員とセックスをした」というエピソードでした。

最初は好意を持った上司や、口説いてきた同僚とセックスをしていたものの、そのうちに「せっかくならば、全員とヤってやろう!」と思いついたそうです。「全員」と決めてしまうとルックスが好みじゃなかったり、性格が苦手だったり、嫌いな人とすら、セックスをしないといけないことがハードルになると思うのですが、見事に彼女はミッションクリア。ポイントを貯めるように、あるひとつのコミュニティに属している男性とセックスをする“ポイントカードヤリマン”という属性がありますが、“自分と同じ会社の男性社員”という難易度の高いカードのスタンプをすべて押したのはなかなかにすごいと、インタビューしつつ唸ったのでした。

ひとつのコミュニティにつき、ひとりだけ派

さて、せっせとポイントを集める女性がいる一方で、「ワンコミュニティ、ワンパーソン」のルールを掲げる女性もいます。ひとつの集団に属す男性たちの中で、セックスをするのは、ひとりまで。近場で多数の男性とセックスをすると、面倒くさい事態を招きかねないので、リスク管理として1C1Pの決まりを自らの課すという流派です。わたしもどちらかといえば、それに近いスタンスです。というのも、若い頃のわたしはプライベート……夜の盛り場などで出会った相手とは、わりとひょいひょいとベッドインする性質でしたが、一方で仕事関係者とは寝ないように心がけていました。それはとある年上男性の教えに影響されてのことです。

「君のためを思って言っておくけれど、男は仲間内だと口が軽くて、女と寝たことはすぐに自慢にする。だから、仕事関係者と寝るとすぐにその仲間内に『あいつは、仕事相手ともヤる女だ』と知れ渡り、仕事がやりにくくなる。仕事関係者とだけは、迂闊に寝ないほうがいい」

よくおごってくれる親切なおじさんにそう言われたとき、まだ20代頭で仕事のやり方がよくわかっていなかったわたしは、「なるほど、それはごもっとも」と思いました。というのも、それまでも、ヤリマンと噂されている女性のことを、男性たちが仲間内で「みんなのみなちゃん」「なめ子(フェラチオが上手だった)」といったあだ名をつけてせせら笑っている現場を目撃したことがあったからです。

ゆえに、そのアドバイスを甘んじて受けて、仕事関係者とはうっかりイタしてしまわぬよう心掛けました。おかげで男女関係のいざこざで仕事がやりにくいといった事態には合わずに済んできたのですが、一方で、ここ最近は機会損失だったのではないかとも思うようにもなりました。