22歳の青年が心奪われたキッチンバー・ママの色香

 この作品の主人公、春人は失恋をきっかけに大学を辞め、婚約者・真奈美の実家の花屋で働く二十二歳の青年
が、その恋人の浮気が原因で、すべてを失ってしまいます。金もなければ職もない。
途方に暮れる春人を拾ってくれたのは、自宅マンションの一階にあるキッチンバー・マルコのママ、留美子でした。

 ママの留美子が、湯気の立つ皿を手に戻ってきた。
カウンターの前に立つと、本能的に春人の目は彼女の胸に吸い寄せられた。
オムレツの皿を彼の前に置くと、上質なリネンのブラウスのカフスを折り、カウンターに肘をつく。
そんなしぐさも下品にならない、知性と貫録が留美子にはあった。
年齢不詳の美熟女だ。細面の端正な顔。
きちんと結いあげた夜会巻きが、往年のフランス女優のようによく似合う。
(『甘く匂う』P37L2-6)

 そんな色香漂う熟女の留美子がベッドに入ると……後編に続きます。

【後編につづく】

Text/大泉りか

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