気持ちいいからセックスをする…無邪気な主人公が教えてくれること/『お嬢様は淫乱でございます』(後編)

女性にセックスの罪悪感がつきまとう理由とは…

大泉りか 官能小説 xshamethestrongx

 前編も合わせてどうぞ。

 セックスにはなぜ『罪悪感』というものがつきまとうのか――それはきっといくつかの理由があるのだと思います。

「まだ、(セックスをしてもいいと心から思えるほどに)自分が成熟していると思えないせい」「相手の愛が信じられず、なのに嫌われたくなくて流されてしまう自分に」「親から(『本当に好きな人ができるまでは』)してはいけないと言われてきたから」などなど、特に女性は、世間的に慎ましくいることをよしとされる風潮にあることや、一番最初のセックスでは、『快感』に結びつきずらいことが、成熟してもなお、セックスに『罪悪感』を持たせる理由ではないでしょうか。

 また、セックス自体に『罪悪感』を持っておらずとも、恋人がいればまた別です。「恋人がいるのに他の人とはスケベなことをしてはいけない」というのが今の日本でまかり通っている常識であるからです。

 では、『お嬢さまは淫乱でございます』(著:沢里裕二 刊:二見書房)のヒロイン・麻里子はどうなのか、というと――。