本当にアソコに香りがつくのかやってみた

春画

今回は線香ではなく、「香炉灰」と「香炭」で焚く方法にした。

春画

お香に使用した材料を紹介しよう。

香附子(こうぶし)・・焦がし醤油のようなのにウッディな香り
甘松(かんしょう)・・甘いけど落ち着いた香り
白檀(びゃくだん)・・甘いシナモンのような香り
龍脳(りゅうのう)・・体臭かつ塩味を感じる香り
※すべて春画―ル個人の感想です

これら4種類を左から順番に浮世絵のようにして、わたしの股の間で焚いていく。

春画 実際に焚いているところ

お香を紹介するのは以前「ムラムラするお香」を作った以来だ。お香の用途がカオスだが、どちらも江戸期再現企画のため、どうか笑ってやってほしい。

春画

さあ、ではお香を股に焚き染めようじゃないか。
この日はゴールデンウイーク。気温がかなり高く汗が吹き出るほど暑かったので、緋縮緬の浴衣を着て実験を行うことにした。お香を焚いている間は、鏑木清方の口絵鑑賞で時間を潰すことに。

春画

最初は「香附子(こうぶし)」からなのだが、なかなかの煙の量に驚いた。浴衣をびらっとめくると顔面に煙がムワムワ当たるので急いで足と浴衣を閉じ、香附子が燃え尽きるまで待機。かなりウッディな香りである。

春画

次は「甘松(かんしょう)」を焚く。最初は甘さを感じ、スモークな香りもした。思わず深呼吸をしてリラックス。鳥の声と近隣のテレビの音が聞きながらぼーっと煙を股に当て続ける昼下がり。外の気温は26度。わたしの股はじっとり汗ばんでいるが、実験は静かに続く。

春画 かかとは見ないで

次は「白檀(びゃくだん)」。これがいちばん良い匂いだった。例えるなら夏のお寺。去年の真夏のくそ暑い日に寺の幽霊画を観に、友人と坂をのぼった記憶が蘇った。

以前パートナーのために白檀を焚いてあげたら「おばあちゃん家のにおい」と純粋無垢な天使のような顔で言われて反応に困ったことがある。香りとは不思議なもので忘れていた記憶がどんどん思い出されてくる。

春画

鏑木清方の口絵鑑賞に飽きたので、いっしょに用意した磯田湖龍斎の春画も鑑賞する。尻のまわりに咲き誇った菊の花が意味深な作品だ。惚れ惚れと春画鑑賞していると、股に香を焚きはじめてからすでに一時間が経過していた。わたしの下半身は順調に香の匂いをまとっているはずだ。足を開いて手でパタパタあおいでみる。が、匂いは分からなかった。

ここで炭が燃え尽きたため、再度炭を加熱し投入。さあ、後は「龍脳(りゅうのう)」を焚いたら股もフィニッシュである。龍脳は楊貴妃が愛した香りらしく、国を傾けるほどの美貌だった楊貴妃をイメージしながら焚いていく。

しかしながら実はわたし、龍脳の香り苦手で気が進まない。

春画

むうっ。やはり香りがきつい。龍脳は墨の香り付けにも使われているようだが、そういえばわたし墨の香りが苦手だった。個人的な香りの感想は「塩味を感じる香りの奥にミントのスース―した爽やかさが脳に入り込んでいく」かんじ。どんな匂いだよ!って方は是非お香の店で匂ってみてほしい。

春画

一時間超の時間を使い股に匂いをつけてみた。江戸時代の女性たちにも「そんなに長い時間焚かなくてよい」と突っ込まれそうだ。レトルトカレーのパウチも袋が溶けるんじゃないかというくらいゴボゴボ茹で続ける性格のため、念には念をおしてじっくり焚いたのだ。