セックス後の「認知的不協和」
認知的不協和とは、矛盾する認知を2つ抱えた際、どちらか一方の要素を変化させることで、不協和な状態を除去することです。実例を挙げましょう。
認知A「好きではない男とセックスした」
認知B「セックスは好きな男とする行為である」
まさに2つの矛盾を抱えた状態ですね。矛盾に対し、モヤモヤするのは当然のこと。内面で不協和音が生じているような状態になっているのでしょう。そこで、どちらか一方の要素を変化させるわけです。
認知A「好きでもない男とセックスした」
→改訂版「私はこの男が好きなのだ」
これにて矛盾が解消されました。簡単に言うと、つじつま合わせってやつですな。セックスは本来、好きな男とだけすべき行為とされているうえ、望まぬ妊娠だの性感染症の危険だの、それなりのリスクを伴います。にも関わらず股を開いたということは、自分は相手男性を愛しているのだと、つじつま合わせをするのが認知的不協和です。
心理学の普及により、セックスすると好きになっちゃう「婦女子あるある」が、理屈としてわかっているのですから! 自分自身の色恋に、じゃんじゃん有効活用していくべきと、筆者は考えます。
「好きになることで思い悩むであろうと予測できているならば、はなっからセックスすべきではない」
「うっかりセックスしてしまった場合は、後から湧いてくる恋愛感情に対し、『これは認知的不協和なのだ』と冷静に受け止める」
これは超・極論になりますが、「セックスしたことによって好きになっちゃった」が許されるのは、心理学が普及していなかった数十年前まで。これだけ心理学が身近な時代なのですから、現代を生きる女性として、感情は上手にコントロールすべきと思った次第です。
Text/菊池美佳子
初出:2017.04.17
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